ソーシャルアプリというのは本当に面白い世界で、
日々の変化の早さといい、奥深さといい、
どれだけ考えを進めていっても、可能性の広がりをさらに感じます。


で、そんな中で自分も一介のソーシャルアプリのプロデューサーとして
日々、さまざまな考察をしているわけですが、
そろそろ、そんな考察を少しずつまとめていってもいいかなと思ったわけです。
自身への振り返りも込めて。


というわけで第1回は

「安定して企画アイデアを生む方法」


についての考察。




CyberXでは定期的にヒットアプリを生むために、
月に2回程度、新規アプリの企画案をプロデューサーが持ち寄り、
コンペ形式で発表するという場があります。



で、そこでのアイデア出しというのが、慣れていないと非常に大変です。



もともとCyberXも昨年12月からずっとソーシャルアプリのアイデアを出し続けているわけですが、
「新規性がある」企画というのを、10ヶ月以上もたった段階で
引き続き出し続ける、というのはそれなりにハードルが高いです。


それに言うまでもないですが、
自社の強みや市場感、実現可能性が踏まえられていない企画は話になりません。


そんななかで、とにかく

・実現性があり
・ヒットする可能性をはらんでいる



というアプリの企画を「安定的に」アウトプットし続けるためには、
自分のなかに、いわばアプリ企画の「思考ツール」を持っていなければ
とてもとても、アイデアを出し続けるのは難しいことだと思います。


前置きが長くなりましたが、
今回はそんな「企画の思考ツール」についてのお話。




自分が企画を考える際に必ず守っているポイントは


・アプリのモチーフとロールモデルを設定する

・そのロールモデルに対し、
 「付け加える」「取り除く」「減らす」「増やす」のアプローチをしてみる



の2点です。



1つ目の「モチーフとロールモデル」ですが、
これはつまり、「こんなアプリをつくろう!」と思ったときに、
テーマとするモチーフと、参考にするゲームやサービスを設定するということです。

例えば『ドリームプロデューサー』であれば、


「『探検ドリランド(GREE)』のスキームでアイドルを発掘しよう!」
というものでした。


『探検ドリランド』の宝物がアイドルの原石に変わっただけ、
ということで、発想の出発点としてはかなり単純明快だったと思います。
※この発想にいきつくまでが相当に大変だったのですが……



で、そのモチーフ&ロールモデルをもとに、
2つ目の「付け加える」「取り除く」「減らす」「増やす」のアプローチをしていきます。


「アイドル」という軸で考えれば、


・『アイドルマスター』と比べて、育成の要素は「減らそう」
 ⇒育成で真っ向勝負しても勝てないと判断

・『アイドルマスター』にはない、アイドル発掘という要素を「付け加えよう」

・『アイドルマスター』の着せ替え要素は「取り除こう」


などなど・・・


この考え方をしていくうちに、
アプリ企画の特徴や競合優位性、新規性が見えてきます。



もちろんこういったアプローチをするためには、
そもそもの比較対照となるゲームやサービスについて
強み弱みをしっかりと把握しておく必要があるので、
モチーフが類似したゲーム・サービスや
ロールモデルとしたアプリについての深い研究が不可欠です。


なお、この考え方は『ブルーオーシャン戦略』を読むと理解がしやすいです。
新規性のあることを考えようとするのであれば必読書かと思います。


ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business scho.../W・チャン・キム
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こういった思考をたどっていくことで、ひとまず

「街中でアイドルの原石を見つけて育てて、Before/Afterを楽しむゲーム」

というような、企画骨子が出来上がるわけです。



もちろん、この時点では「新規性のある企画だね」ということが明らかになった「だけ」に過ぎません。

ここから先の吟味がアプリの成否を分けていくわけですが、
それはまた次回以降にでも。


・・・久々に他人に見られることを意識してブログを書いたので疲れました。。あせる


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@kesk777