みつまめの「このレコード聴いてみたビックリマーク
   「HEADING FOR TOMORROW」
             GAMMA RAY


 古今東西あまり関係なく、みつまめのお気に入りレコードを披露している 「このレコ!」、今回はこのバンドのアルバムです。

           GAMMA RAY (1990)

             Vo:ラルフ・シーパース
             G:カイ・ハンセン
             G:ダーク・シュレヒター
             B:ウヴェ・ヴィッセル
             Dr:マティアス・ブルヒャルト

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                  ドイツ

 ここのところ、「このレコ!」 では来週開催の LOUDPARK15 に来日するバンドをピックしています。
 まだ記事にしたことがなかったドイツ・メロディック・パワーメタル界のビッグネーム GAMMA RAY も出演するということで、ちょうど良い機会(笑)。

 1989年初頭、かの超名盤 「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」 を出したのち、HELLOWEEN から カイ・ハンセン が脱退しました。

 当初、マネジメントの問題やツアー疲れなどを理由に挙げ、しばらく休養をとると発表していたカイでしたが、脱退するや速攻で新バンドを結成したことで、HELLOWEEN 脱退の本当の理由について、あれこれ穿鑿を受けることになります。

 ともあれ、1990年2月、GAMMA RAY としてのデビュー作 「HEADING FOR TOMORROW」 発売。
 シンガーにはエスリンゲン出身で、当時25歳の ラルフ・シーパース が加入しました。

 ラルフは本来、ロブ・ハルフォード に影響を受けた正統派のへヴィーメタル・シンガーですが、GAMMA RAY のアルバムでは曲調のせいなのか、カイに求められたのかは不明ながら、マイケル・キスク風のクリアーなハイトーンで歌っています。

 現在でもライブ頭のSEに使われてるオープニングの 『WELCOME』 に続き、『LUST FOR LIFE』、『HEAVEN CAN WAIT』 『SPACE EATER』 と、メロディック・パワーメタルのパイオニアであるカイの本領発揮な強力ナンバーが並びます。

 後半は大スケールバラード 『THE SILENCE』 や長尺 『HEADING FOR TOMMOROW』、『LOOK AT YOURSELF』 と、じっくり聴かせる大仰な構成。

 『MONEY』 や 『HOLD YOUR GROUND』、『FREETIME』 では QUEEN や JUDAS PRIEST、IRON MAIDEN のオマージュ・・・というか、そのまんますぎる感じですが、そういう曲が入るのは今でも変わりません。カイの手クセというしかない(笑)。

 HELLOWEEN の 「KEEPER」 のうち、どの部分がカイだったのか がよくわかるし、カイのメロディーメイカーとしての尽きぬ才能が存分に顕れた好アルバムです。

 なお、ラルフは GAMMA RAY で3枚アルバムを作ったのち脱退し、カイが自らボーカルを兼任して現在に至ります。

 ラルフがこっそり JUDAS PRIEST のオーディションを受けたこととか、カイがラルフのボーカルに満足してなかったから、とか理由が挙げられましたが、単にカイがそろそろ自分で歌いたくなっただけだと思われます。

 ラルフが他のオーディションを受けたのも、そういうカイの雰囲気を察したからでしょう。
 現にラルフが GAMMA RAY を辞めたあと結成した PRIMAL FEAR のデビュー作では、カイが客演してますから・・・きっとカイも、ちょっと後ろめたかったんだと思う(笑)。

 PRIMAL FEAR でのラルフは、正統派メタルボイスで超絶ボーカルを聴かせており、そのど迫力たるや、メタル界でもトップクラス。これが満足できない、なんてありえない話です。ましてや後任がカイ自身のボーカルでは(笑)。

 それでは最後に、「HEADING FOR TOMMOROW」 から、『LUST FOR LIFE』 をご紹介音譜