ねるもんか! | いい毒夢気分

いい毒夢気分

千葉発地獄行き。


ラジオって、よく聞く?
ブログネタ:ラジオって、よく聞く? 参加中


今の若者は……って書き出しはどうにも自分のオッサンぽさを殊更に強調するようで嫌なんだけど、実際に俺オッサンだし、今の若者について語らない事にはラジオの話に入れないから語るよ。
どうよ、このいらない回り道?

今の若者は音楽を何で聴いてるの?
最近はネットでダウンロードしてiPodとかのDAPに入れて聴いてる人が多いのかな?
それでもCD買ったり借りたりする人もいるよね。
で、それを聴くプレイヤーってラジオのチューナーも付いてる?

俺が自分で選んで音楽を聴くようになった小学校高学年の頃は、まだCDすら一般的じゃなくて、使っていたのはラジオとカセットテープだけが聴ける「ラジカセ」と呼ばれる機械だった。
一応レコードプレーヤー付きのステレオも家にはあったのだが、それは父親の持ち物で、勝手に触ってはいけないルールになっていたのだ。
だから自分で聴く音楽は、テレビの音楽番組をマイクで録音した物か、ラジオを録音した物だった。

丁度おニャンコクラブが全盛期で、なぜかそれにハマった俺は彼女達が出演している番組や曲がかかるリクエスト番組をよくチェックしていた。
で、歌が始まるタイミングでラジカセの録音ボタンを押し、終わるとストップ。
それを何曲も繋いだつぎはぎのようなテープを繰り返し聴いたものだよ。

おニャンコクラブをきっかけにラジオを聞く習慣ができ、それ以外の番組を聞く機会も増え、その辺りからは音楽全般に興味を持つようになった。
それまでおニャンコを追っ掛けるようにAM(主にニッポン放送)を聞いていたのが、FMを聞くようになるのが中学に入ったあたりか。
ただ、FMは電波を拾うのが難しい。
うまくアンテナの位置を調節してキレイなステレオで音が入ったと思ったら、アンテナから手を離した瞬間にひどいノイズが……みたいな事はしょっちゅう。
だから嘘みたいにキレイな音が捕まえられた時は何かそれだけで嬉しかった。
この頃はユーロビートが流行ってて、カイリー・ミノーグとかリック・アストリーとか聴いてたと思う。

しかし、高校に入って自分でアルバイトをしてCDプレーヤー付きのラジカセを買ってからは、めっきりラジオを聞く機会は減った。
友達とCDの貸し借りをしたり、レンタルCDをテープにダビングして聴くようになったので、好きな曲がいつかかるかわからない上にクリアな音質で録音するのが難しいラジオは非効率に思えちゃったんだろうな。
その非効率の中に自分が本当に好きな音楽に出会えるチャンスがあったりするんだけど、高校生なりにそういう時間が惜しかったんだよ。
しかも丁度バンドブームのさなかで、生意気にもバンドとかやってたから、その為の曲ばっかり聴いてた。

ラジオを聞くきっかけが好きな曲を聞くためだったから、その目的がラジオを使わなくても果たされるようになって、しばらくはラジオから離れる事になる。

次にラジオにハマるのは既に二十代も半ば近くになってからだ。
当時のバイト先の友人の一人がある日突然休んだ。
翌日になって休んだ理由を聞くと
「伊集院光がラジオ番組の企画で出したCDを買いに行ってた」
と言う。
この頃、ラジオを聞くという感覚が完全に抜けている俺は、
「ラジオ? 今時、そういうの聞いてるんだー」
くらいにちょっと侮っていたのたが、その友人が「とにかく面白いから一度聞いてみろ」と強く推すので、「じゃ、そのうちね」とスルー気味で答えていた。
その後も友人との会話の中で度々「伊集院のラジオで…」という話が出るが、「伊集院て、ただのデブタレでしょ? 本当に面白いの?」くらいに完全に侮っていた。
今でこそクイズ番組などで博識ぶりやひらめきの冴えを見せている彼だが、当時の俺の認識は世間とそう大きくズレていなかった筈だ。
で、「そこまで推すなら」と、一度そのラジオを聞いてみたら一発でハマった。
テレビでは人の良さそうなデブタレにしか見えなかった伊集院光は、ラジオでは毒舌やシュールなトークをバンバン繰り出しており、全く違うキャラに感じた。
リスナーから送られてくるハガキのクオリティも異常に高く、またそこに上乗せされる伊集院のトークが絶妙に面白い。
それからは毎週欠かさずにチェックするようになった。
ハガキも送って何回か読まれたよ。
『SPA!』の『バカサイ』では短い期間だけハガキ職人をやっていてそれなりに採用もされていたから、伊集院のラジオも楽勝だろうと思っていたんだけど、ハガキが読まれるまではかなり時間もかかったし採用率も低い。
リスナーのレベルも競争率も高いみたいだね。
そんな訳で投稿の方は早々に諦めて聞くのに専念することにした。

以来十数年。
ラジオを聞く理由が音楽の為からトークや企画の面白さにシフトし、聞く番組が増えた結果、とりあえずラジオをつけておく時間も増えた。
そうした番組でたまたま耳にした曲が良かったりして、ラジオから好きな音楽が広がったりもしている。
「Lucky Soul」も「相対性理論」もたまたまラジオで耳にしたのが好きになるきっかけだったもんなぁ。

今は夜寝る時は大抵ラジオをつけたままにしてる。
深夜3時から始まる某クラシック音楽番組が意外にも面白い。
時間が時間だけに俺はたまにしか聞けないのだが、「のだめ」を経由せずにクラシックファンになった人がこの番組のリスナーにはいるはずだ。

かようにラジオは俺にとっては欠かせないものだ。
つーか、みんなもっとラジオ聞こうよ。
聞く習慣が無いから気付いてないだけで面白い番組いっぱいあるんだよ。

最近はラジオ界を揺るがすニュースもあったし、その動向にも注目しなきゃいかんね。