MMRタナカは、とある場所の資料センターにいた。そこは地下2階にあり、蔵書35万冊を誇る巨大な、もはやひとつの図書館のような場所だった。
MMRタナカ(以下タナカ)は休日を利用して調査してきたマヤ文明に関する資料をそこで探していた。パソコンで検索し目的のものに関係するものを発見したが、膨大な書物のヤマにまみれてなかなか探せだせずにいた。
「もう、あきらめようかな」と思ったその時、書棚の一番ハシにある、こげ茶色に変色した一冊の本が目に入った。
「なんなんだ、これは・・・」あきらかに他の書籍とは見た目が異色なその本を、タナカは何気なしに取り出した。かぶっているホコリが、この本を数十年の間、誰も手にしていないことを物語っていた。
表紙のホコリを手ではらいのけると、そこにはタイトルらしきものが書いてある。
「なんだよ~、ダレかのイタズラか!?」 パラパラとページをめくっていた、その手がとまった。
「これは! 大変なものを、見つけてしまった・・・」
すぐさまそこを出たタナカは、ある人物のもとにむかった。
カレは疲れた顔をしてパソコンの前で眠っていた。タナカはそんなこと、かまいもせずにカレの肩を揺さぶった。
「オイ、トマル! ちょっと見てくれないか!」
そう、カレはタナカと同じマガジンミステリー調査班(MMR)の一員・トマル隊員(以下トマル)であった。もう15年以上もともにこの世の中のミステリーな現象、そして人類の未来を調査してきた親しき同僚だった。
トマル 「ちょっとタナカさん、昨日オレ、徹夜だったんですよ。『プロジェクト・アマテラス』にMMRの最新の調査結果を掲載していたんですから!」
「そうか、それは悪かったな」とすこしも悪びれたカオをしていないタナカ。
「実はオマエにも見てもらいたいものがあるんだ」
といって、タナカは資料センターから持ちだしてきた、あの本を手わたした。
しばらく、それを見ていたトマルは「なんですか? この『予言☆電書』って?」と不思議そうに言った。
タナカ 「誰が書いたか全くわからないが、オレの推測によると、この『電書』とは『電子書籍』のことを言っていると思うんだ。その『予言』だろ。つまり『電子書籍を予言する本』となるんだ」
トマル 「なんだってーーー! それじゃあこれには『ノストラダムスの大予言』のように、何年の何月に電子書籍が滅亡すると書かれているんですか!?」
タナカ 「ちがーう! 電子書籍はこれから確実にドンドン伸びていく市場だ。トマルも電車の中でよく見かけるだろう。スマホやタブレットでマンガや書籍を読んでいる人たちの姿を」
トマル 「確かに、もう珍しくない光景になりましたよね」
タナカ 「だから、この『予言☆電書』とは、滅亡ではなく繁栄・・・、今後売れる、またはぜひ読んでおいたほうがいい電子書籍を予言したものだと思う」
トマル 「じゃあ、この予言を解読できれば、みんなにオススメの電子書籍を紹介することができるんですね」
タナカ 「そうなんだよ! まさかここで『ノストラダムス大予言』を解読してきたノウハウが活きてくるとはな。早速ひとつづつ見ていこうか・・・」
カーリーはドゥルガー、クリシュナを従える
99の国を支配し、扉を開けるだろう
多くの川の流れにはばまれ、困難な道は果てしなく続く
偉大なるアスラが世界を恐怖に陥(おとしい)れるだろう
さあ、みんなもこの予言に挑戦してくれ!!