雑種フグの脅威! | 森永 誠の釣り日和

雑種フグの脅威!

カットウ釣りをご存じですか。

関東の釣り人なら、

誰もが知っている船からのフグ釣りです。

 

関西では釣り場が少なく、

と同時に釣るという慣習がないため、

ほとんどやられていません。

私の知る限りでは

淡路島の西浦でやっている船宿があるくらいです。

 

そして、

関西の釣り人に、フグの種類を聞くと

トラフグ、それとえーと

となることが多いようです。

今回お話するのは関西の方には、

ピンとこないかもしれませんが、

関東以降の方には、

ちょっとショッキングなお話です。

 

比較的に値段が安く庶民的なフグに、

ショウサイフグとゴマフグがあります。

この両方のフグが混じった

雑種フグが生まれていると、

山口県の水産大学が発表しているのです。

太平洋に多いショウサイフグ

日本海に多く生息するゴマフグ

 

ご存じのように自然界のフグは

毒があります。

ショウサイフグ、ゴマフグにしてもしかりです。

でもこれらのフグは、

どこに毒があるのか知られているのです。

ですから、その部位を取り除いたら、

安心して食べることができるのです。

 

ところが雑種フグになると、

どこの部位に毒があるのか、

それが分かっていないのです。

 

そのため専門業者は目利きで、

雑種フグを識別して、

市場に出す前に取り除いているのです。

さらに、雑種がエスカレートして

クォーターになったら、

さらに毒だけでなく、

フグ自体の識別もできなくなると、

専門の方は心配しているのです。

 

ではなぜに雑種フグが生まれたのでしょうか。

もともとショウサイフグは太平洋に多く、

ゴマフグは日本海に生息していたので、

混ざる可能性はなかったはずです。

 

ところが地球的規模の高水温により、

日本海に多かったゴマフグが、

北上して津軽海峡を越え、

太平洋に移動したのが要因というのです。

 

このような種間雑種の進行は、

日本だけでなく世界的な傾向のようで、

さらに進んで行くのではと、

専門家はみています。

 

もう10数年まえのことですが、

私も「大阪湾からカレイが消える日」と

いろいろなところで話をして、

記事にもしています。

そう、高水温によってカレイが北上、

さらに産卵期の12月に、

ほかの魚たちがずっと元気で、

卵をパクパクと食べている、

これによってカレイが激減と

私は考えていたのです。

 

いま大阪湾には南方系の魚が、

いっぱい入り込んでいます。

もしかしたら、それらの魚による交配が進むと、

そう考えるとちょっと心配です。