フランスの建築様式はロマネスク、ゴシック、ルネサンス、
バロック、ネオ・クラシック、アールヌーボーなど、
それぞれの時代や地域性により、変遷を遂げていますが、
本日はコンテンポラリースタイルの教会をご紹介します。
パリの中心を南北に走るメトロ4号線の南の終点、
Mairie de Montrouge(メリー・ド・モンルージュ)駅の
目と鼻の先にある Eglise Saint Jacques le Majeur
(サン・ジャック・ル・マジュール教会)。
最初の建造は1533年に遡りますが、400年の間に、
解体と建築を繰り返し、1939年12月5日に
コンクリート造りの今の姿となりました。
1939年といえば、ナチス・ドイツ軍がポーランドに侵攻し、
イギリスとフランスがドイツに宣戦布告して、
第二次世界大戦が始まった年です。
内部は伝統的な教会のイメージとは異なり、モダンです。
ステンドグラスがまるで、電灯がついているかのように、明るいです。
800万ユーロ(約10億円)をかけた改修工事が昨年12月に終了し、
美しい輝きを取り戻しました。
教会の名称にもなっている Saint Jacques は
イエス・キリストの使徒のひとり、聖ヤコブです。
壁面にはヤコブのシンボル、「ホタテ」の模様の
ステンドグラスがずら~り。
フランス語でホタテ貝は「coquille Saint Jacques(コキール・
サン・ジャック = 聖ヤコブの貝)」と呼ばれているのですよ。
床に反射したステンドグラスが美しいですね。
メリー・ド・モンルージュ駅はメトロ4号線の延伸によって、
2013年3月に開業した新しい駅ですが、駅の建設に伴い、
この教会を取り壊すという案もあったそうです。
礼拝者が少ないということもその要因だったそうですが、
反対意見が多く、最終的には改修工事が行われました。
日曜日にはきっと、多くの信者が礼拝に訪れるのでしょうが、
平日はご覧のように、貸切状態でした。
知らないと、教会とは思わずに、通り過ぎてしまいそうな、
そんな教会でした。
徒歩圏内にはリーズナブルなアジアンレストラン
Chez Ama もありますよ。
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