人工的に作る肉とは | penのフランス語日記

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「虎と小鳥のフランス日記」でフランス語を学習中のpenの日記。独学です。トリュフォーの映画を字幕なしで楽しむのが目標。フランス語とフランス全般の情報を楽しくご紹介。初心者むけの文法、語彙、ディクテなどの学習法、フランス映画、フレンチポップスの話題もあり。

練習のために読んでいる子ども新聞の記事の和訳
2012年2月28日に書いたものです。





元記事 → Le steak à base de cellules souches expliqué aux enfants | 1jour1actu - Les clés de l'actualité junior



実験室で培養されるステーキを知っていますか?


オランダのマーク・ポストという科学者が、幹細胞を使って「試験管肉」を作りだし、バーガー用のパテにするプロジェクトを始めました。史上初めてのことです。

この不可思議なハンバーガーの素となるものは、牛の筋肉の細胞を取り出し、培養させたものです。そうして作った物は、私達が食べているのと全くおなじ肉の繊維になるそうです。今のところ、ポスト氏は小さな肉のかけらを作り出したところですが、10月には、ハンバーガー用の肉片を作ることができると言っています。


なぜこのニュースが重要なのでしょうか?

第一に、畜産は、牛が大量に出すメタンガスのせいで、空気を汚染してしまうからです。そして、人類の摂取する肉の需要に、そのうち供給が追いつかなくなるということもあります。もし培養肉を使えば、空気を汚染せず、また牛も殺さずに好きなだけ肉を製造できるのです。


牛を殺さなくても得られる肉、それとも?

けれども、幹細胞の使用に全く問題がないわけではありません。幹細胞を含む体液はまだ生まれていない牛の胎児から取り出すのです。もし牛が眠っていなければ、取り出すとき、ものすごい痛みを感じるはずです。

だから動物擁護団体はこのやり方に反対しています。そして細胞を増やす時、細菌に侵されないようにするためと、増殖のスピードをあげるために抗生物質を使わなければなりません。

最も大きな問題は、この肉の値段です。このプロジェクトに、25万ユーロ(本日の換算でおよそ2千700万円 1欧州ユーロ=108.28)もかかるのです。



◆きょうの単語
cellule 細胞 (刑務所の独房とか、家族、社会の基本構成単位という意味もある)
cellule souche  幹細胞

◆補足 幹細胞とは:
発生の過程や、臓器・組織・器官の再生・維持の過程で、細胞を供給するもととなる母細胞。

別の組織細胞に変化する能力と、分裂しながら同じ細胞を作り出す能力とがある。

受精卵の一段階である胚盤胞から取り出した内部細胞塊から樹立される胚性幹細胞はすべての細胞に分化することが可能(万能細胞)・・・以上、大辞泉より。

英語では、stem cell です。



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