いじめに立ち向かうこと | penのフランス語日記

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「虎と小鳥のフランス日記」でフランス語を学習中のpenの日記。独学です。トリュフォーの映画を字幕なしで楽しむのが目標。フランス語とフランス全般の情報を楽しくご紹介。初心者むけの文法、語彙、ディクテなどの学習法、フランス映画、フレンチポップスの話題もあり。

こんにちは。penです。

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ツイターとフェイスブックの記事に続いて、きょうはいじめに関する記事の和訳(一字一句訳してはいません)です。皆がインターネットを利用するようになり、いじめの質も変わってきました。2012年1月25日の投稿を少し書き変えました。

元記事 → Le harcèlement expliqué aux enfants | 1jour1actu - Les clés de l'actualité junior


小学校や中学で10人に一人の生徒がいじめにあっています。侮辱、暴力、からかい、うわさ、孤立させるなど、言葉の暴力から肉体的な暴力まで形態はさまざまですが、どんないじめもいじめられる本人にとってはたいへん深刻な問題です。どうしたらこうしたいじめを防ぐことができるでしょうか?


国民教育省(le ministère de l’éducation nationale)はいじめ問題に対応するため、«Agir contre le harcèlement à l’école»(いじめに対して、行動をおこそう)というキャンペーンを始めました。

テレビ、インターネット、特にFacebookで情報を流しています。このキャンペーンの目的は被害者や父兄、教育関係者にアドバイスをすることです。


学校でのいじめとは何か?
アルチュールは太り気味で、気弱な子どもです。毎朝、校庭に行くと、特定の生徒たちのグループにブブール(bouboule*)と呼ばれ、体型のことをからかわれます。アルチュールは気が小さいし、怖いので、言われるままになっています。そしてこれが毎日繰り返されます。

これがいじめ(harcèlement)です。おもしろがって人をからかうことはよくあるでしょう。あなたも友達のことをからかったり、からかわれたり、冗談ですることはあると思います。

けれどもそういうのはすぐに忘れることができます。問題はこのように人をからかうことが、特定の生徒に対して、日常的に繰り返されることなのです。

いじめは言葉だけではありません。たとえば、いじめグループがアルチュールをつきとばしたり、なぐったりすれば、それは肉体的ないじめです(harcèlement physique)。

攻撃する人間(agresseurs)はアルチュールのビデオや写真をインターネットで公開し、べつの人に流したり、うわさをたてたりするかもしれません。これはサイバーいじめ(cyber harcèlement)です。

どんないじめでも、被害者にとっては、とても深刻な結果をもたらします。アルチュールは、そのようないじめにあい、学校に行きたくなくなったり、自分の殻にとじこもったり、自信をなくしてしまうでしょう。だからこういしたいじめを見過ごすわけには行きません。

いじめの加害者とは?
アルチュールの例のように、いじめる側が複数の人間でグループを作っているケースが多いです。グループですから、被害者より力があります。グループのリーダーは仲間に力があるところを見せつける一方で、ほかの人は恐怖や勇気のなさから、リーダーに、いじめるのはよくないと言えず、じめられている人を守ることができません。

リーダーにさからえば、今度は自分がアルチュールのように仲間はずれにされると思うのです。

いじめの被害者とは?
アルチュールは友達が少なく、ほかの子と違っています。本心を打ち明けることができる人がいません。いじめに逆らうと、さらにいじめられそうなので、いじめに立ち向かえません。ややおとなしい子どもがターゲットになるのはよくあることです。いじめる側はそういう子どもの気弱な性質につけこみ、恥をかかせたり、支配しようとするのです。

もし自分がいじめられていたり、いじめを目撃したらどうしたらいいのか?
恐れていないところを見せる努力をするべきです。成り行きにまかせようなどと思わなければ、いじめは止まるかもしれません。できるだけ早く、大人に言うこと。両親、お兄さん、お姉さん、先生、学校の看護婦さんなどに言えば、助言をもらえ守ってもらえます。

アルチュールの場合は、アルチュールに会いに行き、話をし、一人にしないようにしましょう。

また、いじめについて相談できるフリーナンバー(Stop Harcèlement : 0 808 80 70 10)があります。電話すると心理学者やカウンセラーと話すことができます。

とりわけ、実態を知らせることが大事です。いじめを目撃したら、先生や大人に言いましょう。何もしないで見ていたら、いじめに加担してしまうのです。行動しましょう。


◆きょうの単語
harcèlement 執拗な攻撃、いやがらせ、ハラスメント

*boubole : bouleはボール、珠なので、百貫デブ、みたいな感じでしょうか。


以下は政府のキャンペーンビデオ。かなりリアルです。









こうしたいじめは先進国に共通の問題だと思います。この記事の書かれた数週間前に、フランスでいじめのせいでお父さんの銃で自殺した女子中学生がいました。

今はネット(Facebookなど)があるので、加担する人間があっというまに増えてしまいます。先生や親に言ってもすぐに行動してくれなくて絶望するかもしれませんが、勇気を出して言うべきですね。引っ越すとか、転校するとか、登校拒否するとか、何か方法があると思います。まだ中学生ならどんな未来が待っているのかわからないです。死ぬよりましです。