君と僕とである日突然(仏語初心者限定記事・・・だけど誰でも見られる) | penのフランス語日記

penのフランス語日記

「虎と小鳥のフランス日記」でフランス語を学習中のpenの日記。独学です。トリュフォーの映画を字幕なしで楽しむのが目標。フランス語とフランス全般の情報を楽しくご紹介。初心者むけの文法、語彙、ディクテなどの学習法、フランス映画、フレンチポップスの話題もあり。

こんにちは、penです。土曜日は休憩の日です。きょうは、懐メロのお話です。

トワ・エ・モアという日本の男女のデュオがいます。今から44年前にデビュー曲「或る日突然」の大ヒットで、それこそある日突然、スターになった二人です。


しかし、あまりに昔の歌手なので(再結成して今も活動されてますが)、大学生さんなんかは「はっ?誰それ?」という反応をされるかもしれません。それこそ、大野ちか☆さまの言われるヴィンテージなお年ごろでないと、ご存知ないでしょう。

しかし、フランス語学習者のあいだではきわめて有名な話ですが、このデュオの名前の「トワ・エ・モア」というのはフランス語がもとになっております。

Toi et moi と書きまして、それぞれ、きみ(tu)、 私(je)という代名詞の強勢形です。日本語ですと「私」はどこに置いても「私」なんですが(助詞が変わります)、英語もそうですが、フランス語も私は私で、いつも私なのに、文中の場所によって微妙に形が変わります。

強勢形は、その名のとおり、ちょっと強めに勢いのついた「私」です。文末とか、前置詞のあとに代名詞がくる時、この強めの「私」を使います。たとえば「私と」と言いたい時は、avec je ではなく、avec moi となります。

強くなっているので、moi aussi (私も) とか、et toi? (あんたは?) と、文の形になっていなくても使えます。

ついでに、スペルも見ておきますと、

toi、 moi のoi は 「オイ」じゃなくて、「オワ」という発音です。oi のセットで、オワです。

たとえば、

1,2,3 の3の trois は トロワ(カタカナで書くと微妙ですが、ほとんどトワッ。語末のSは発音しない)

ケベックで話されているフランス語であるケベコワは québecois (これも語末のSは発音しない)

英語のand にあたる接続詞 et も、語末の子音字を発音しませんので、ただの「エ」です。

その結果、 Toi et moi   →  トワ エ モア 

訳は 君と僕、あなたと私、など。



誰がつけたのか知りませんが、デビュー曲にふさわしいグループ名です。

トワ・エ・モア、デビュー前から二人で歌っていたわけではなく、事務所が戦略的に二人組にしたそうです。そのせいかどうか、4年ほどで解散してしまいました。先にも書きましたが、解散してから約25年後に、再結成して活動されています。

いい曲が多いのですが、私が好きなのは、なんだかキャロル・キングにそっくりな「友だちならば」です。そして、実は、こういう男女デュオという形態の日本の歌手で一番好きなのは、「ヒデとロザンナ」なのですが、そっちを取り上げるとイタリア語ブログになってしまうのでやめておきます。




では、最後に「或る日突然」をお聞きください。この「或る日」、漢字です。今、あんまり漢字で書きません。昔の小説を読むと、「或る女」「或る人」「或る時」のように漢字を使っていますね。

★2015/02/13追記:動画が削除されましたので、Dailymotionの動画へのURLを貼っておきます。

トワ・エ・モア - ある日突然 1969(S44) - Dailymotion動画




最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
penのフランス語日記 Ameba出張所-pen signature