気仙沼へ行くと、戻りたい場所があります。
社会福祉法人洗心会が運営する障害者支援施設「第二高松園」です。




電話で「今度行きま~す」「はーい、待ってます」という打ち合わせだけで行ける場所です。

ここには知的、身体、精神に関わらず支援を必要とされている人たちが入所されています。その重症度は年々高くなっているそうです。
それでいて職員の確保は困難を極めており、少ない職員でたくさんの利用者さんの支援にあたられています。

常に利用者さんの傍にいると、ゆっくりと職員さんが利用者さんの表情や表現に向き合う機会がとれません。
そこで短い時間ですが、ワークショップの中で、職員さんが利用者さんの傍を離れ、表情や表現を見つめてもらえるようにしています。

挨拶を交わす、握手、手拍子、唄、チラッと見る、はにかむ…
そんな利用者さんの様子を眺めてもらうためのワークショップ。

いつも思いますが、空気が優しい。
ダウン症の男性がワークの場所にはいるのに、輪には入らない。
でも職員さんは、無理に輪に入れることはしない。
横に座り、空間を一緒に楽しんでいる。

もうね、分かってくれてる。
ワークで一番大切なことを。

彼は離れた場所で人差し指で拍手し、つま先で歌っていました。
気持ちよくなると、そのまま眠っていました。
輪の利用者さんが団子をこねて食べるマイムをしていると、
彼の分も作ってくれていました。

そんな様子を、職員さんがじっくり眺められる時間を作る。
それがまた日常にフィードバックされる。

時々行って、ワークをやる意味はここにあります。

(続く)