覚え書きあれこれ

覚え書きあれこれ

記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

 

りくりゅうファンの皆様

 

2025年グランプリ・ファイナルのSPが終わり、三浦・木原組が見事に首位で折り返しましたね!

 

 

 

 

 

 

演技後のインタビューでも二人が語っていたように、小さなミスが出て完璧な出来ではなかったかも知れないけれど、私にはこの成績がこれまでの経験の積み重の生んだ「粘り」の賜物だったと思えました。

 

私は今回、残念ながら大会現地には行っていませんが、朝のSP練習は非常に調子が良かったと聞いていました。

 

長久保カメラマンの写真からもその様子が伝わって来ますよね。

 

 

 

 

しかし当日練習がいくら良くても試合本番がその通りに行くとは限りません。それでもミスを最小限に抑え、獲得すべきレベルは全て獲り、最初から最後まで集中力を切らさずに演技を終えられたのは彼らの底力の強さを示しています。
 

なんだかんだ言って、北京五輪直後からずっとトップで戦い続けてきたペアチームは彼らだけですからね。その年月が、試合の数が、モノを言わないはずがありません。

 

 

いつでも完璧な条件や環境で試合に挑めるわけではない。

 

体調の問題であったり、リンクの状況であったり、観客の雰囲気であったり、気にし出したらキリがないほどの要因が作用して試合演技に影響が出かねません。

 

でもコーチのブルーノさんがいつも言っているように、「全てはミラノ・オリンピックのための準備なのだから」、どんな結果でも受け入れて、課題を見つけて、それらが自分たちの糧になるのだと信じてまた練習に戻る。

 

その繰り返しをコツコツと続けて来た成果が今大会でのSP演技に結びついたのかな、と思いました。

 


なお、先シーズンの前半から得た教訓として「楽しむこと」の重要性を思い出したりくりゅうでしたが、英語では「ENJOY」という言葉をコーチたちはよく使います。

 

ニコニコ、笑顔で、という意味だけではなく、「堪能する」というニュアンスが含まれているので、良いことも辛いことも、上手く行った時もちょっとしんどかった時も、全部ひっくるめてじっくりと味わって、消化して、次に繋げるためのキーワードではないでしょうか。

 

*****

 

それにしてもSPに「Paint It Black」を持ち越したのはやはり正解だったと皆さん、思いませんか?

 

「魔物が潜む」と言われるオリンピックに挑むにあたって、プログラムに絶対的な自信と誇りを持つことはめちゃくちゃ重要なことの一つだと思います。

 

(そういえば以前、オリンピックに関する記事を書いて、桃太郎が鬼退治に行くために「キビ団子」や「仲間」を揃えたことに例えたことがありましたっけ)

 

 

 

 

 

今シーズンが開幕してからコンスタントにSPで70点台後半(GPスケアメを除いて)をマークして来ているのは三浦&木原組だけです。「ペイント・イット・ブラック」がりくりゅうにとって「鉄板」であり、魔物に立ち向かう大きな武器としての役割を果たしてくれている証拠でしょう。

 

シェイリーン・ボーンの創ってくれたこの作品は、GPフランス大会で三浦選手が語っていたように「最初から完成度が高かった」けれど、2シーズン目になり、滑り込めば滑り込むほど深みを帯びて来ているように見えます。

 

リフトなどの課題が昨シーズンとは違うので、曲の編集が必要になったことも変更点のひとつでしたが、細かい振り付けが加わって音ハメが際立ち、エレメンツのインパクトもより強化されています。


 

しかし何よりも、シェイリーンの示したプログラムのコンセプトをりくりゅうの二人がより良く理解し、より忠実に体現しているのが「ミソ」かな、と。

 

今大会の演技写真はどれを見ても、一枚一枚のショットにおける三浦選手と木原選手の表情が素晴らしい。

 

二人を引き離さそうとするあらゆる邪魔者(物)に果敢に立ち向かい、力を合わせて思いっきり光の差す方へと駆け抜けていく、というイメージがよく表現されています。

 

 

 

 

 

 

ISU「X]より

 

 

 

 

 

 

(オマケにq_taroさんのイラストも)

 

 

 

 

 

 

個人的に、振り付けの変更で最も好きな二カ所を挙げますと:

 

①ダブル・スクワット・イーグルに入る直前に二人で音にハメてバンッと手を合わせていくところ

 

 

 

 

この二人の見つめ合いごて、どないですか?これ、良く考えたら超高速スピードで滑りながらやってるんですよッ!!

 

 

 

In The Loop より)

 

 

 

②もう一つはエンディング・ポーズの直前。

 

三浦選手が手を素早く動かしながら、最後まで付きまとって来た何かを振り払い、木原選手がその周りを警戒するようにザーッと滑って彼女を守る動きを見せます。

 

 

 

毎日新聞の猪飼カメラマン撮影

 

 

そしてようやく安心して、二人で揃って「バンッ」と手を広げる。

 

昨日はここで三浦選手が前のめりになるのを避けるために、木原選手のズボンの脛部分をグッと握りしめているのはご愛敬。

 

 

 

ISU公式「X」より

 

 

 

 

(再び長久保カメラマン

 

 

良いわあ、この璃来選手の笑顔。本当にこの4年間で強くなりました。

 

 

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さあ、これからいよいよフリーです。

 

「怪我をしないこと」を彼らはいつもシーズンのテーマに挙げているけど、あえてそれに一つ補足するなら「Nelle Tue Mani」、つまり「(運命は)自分たちの手の中にある」というものもあると思います。

 

自分たちのやるべきことをやりさえすれば、他のどのチームが何をしようと、望む結果は付いてきます。

 

楽しみに、演技の時間を待っています!