こんにちは、アトラスカイロの荒木です。
いつもご来院ありがとうございます!
さて、前回に引き続き骨盤矯正の嘘と本当についてですが、世の中を見渡すとこの業界に限らず、健康情報番組や健康通販など動かない骨盤にたいしてあいかわらず「骨盤矯正」の大合唱です。
反論の説明するのもむなしくなりますが、やっぱりきちんと伝えていく必要があると思いますので、お話を続けます。
■■骨盤矯正の嘘と本当 2
カイロの世界でも骨盤、特に仙腸関節は呼吸に合わせて自在に動くと説かれているものもありますし、実際に仙腸関節を調整し体の不調が改善した実例はいくらでもあります。
私の持っている機能解剖学の本にも8㎜~17㎜も可動すると書いており、その根拠になる文献は1851年にはすでに存在したとあります。また、仙腸関節障害を専門に扱う病院でも、画像診断では分からないが3㎜程度の、微細な動きはあると言っています。
まず、私が不思議に思ったのが1851年の文献。
レントゲンの発見が1895年と、文献より40年も後なのに当時どのような方法で測定したのかすこし怪しく思いました。
次に、病院。仙腸関節の可動の可否について世の中には沢山の研究者がいるのに、どうしてその3㎜の証拠が出せないのかと言う事です。
このように、元があいまいなのに雰囲気だけで「たぶん~だろう」でイメージが先行してしまい、いつの間にかそれが正しいとなったんじゃないかと思います。そこに素人相手ならいけると、いろんな商売人が飛びついたってことなのでしょう。
たしかに人体の要の部分だし神秘的な部分なので、わからなくもないのですが・・。
でも、骨盤をガッチリ包んでいる靭帯を見てしまうと「動く=損傷」になるのです。
では、なぜ仙腸関節の調節(骨盤矯正)をすると不調が改善されるのかを考えてみましょう。
骨盤は、何度も言うように絶妙なバランスで、たくさんの筋肉がくっついています。腕のある施術家は、その筋肉のバランスの変化をとらえるのがとても上手なのだと思います。そして、ピンポイントでアプローチをすることで筋緊張を緩和し症状を改善しているのではないでしょうか。
最後に、こんな論文があります。
日本医科大学の高山先生が1990年に発表されたもので、「仙腸関節の応力に関する研究」です。
論文ですから、検査方法から考察、論証までとても正確な内容が確認できます。
骨盤は動かないって言っておきながら、「実は動くんです」と言ったら怒られそうですが、文献には確かに可動することが正確なデータとして計測されています。
研究は、靭帯や腰椎4・5番を残したヒト屍体骨盤を4体使用し行われています。
そして、過去に行われた実験の不確定要素を排除し、測定は3次元測定器や赤外線応力画像などを用いて正確性を求めています。
結果としては、第四腰椎に真上からの100㎏の荷重に対して仙骨のおじぎ運動はあるものの、検体によりますが0.18㎜~0.73㎜の微小な偏位にとどまっています。
これは動くと言っても、人間が立った状態で100kgの負荷をかけて、やっと1㎜にも満たないほどなのですね。分厚い筋肉層のさらに奥で、1㎜未満の動きなんて見た目や触ったくらいで分かる訳ないです。
仰向けやうつぶせで計測はしないのかって?それは仙腸関節面がその方向には動かないからでしょうね。
よって私は、骨盤については「骨盤はゆがまない。位置が変位するだけ」と考えています。
当院の施術では、骨盤のアライメントを乱している原因を特定し、腹筋や足の前後、お尻周辺や背中など、どの筋肉が硬いのかそれとも弱いのかなどを見ていきます。その上で、調整をしていきますので骨盤の変位は徐々に改善されていきます。