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蟹江川沿いには地域皆さんが葭刈舟から投げ蒔かれる「ちまき」を求めて多くの方が見物に見えていました。中には早朝散歩で急遽、「ちまき投げ」に初めて参加された皆さんもみえました。皆さん熱中してますが、それにしても赤ちゃん 。。大丈夫かな。(^_^;)。。

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先日、高砂部屋の記事で紹介しました「須成祭」の重要な神事の一つである「葭刈」が本日執り行われました。この神事は、須成祭のご神体にする「御神葭様」に必要な葭を刈るために蟹江川を下り、十四山村亀ケ地まで向かうもので、朝祭一週間前の本日の午前7時、須成神社を出発。船には「葭刈衆」と言われる今年成人式を迎えた青年たちが乗船します。葭刈は、町内鍋蓋新田の日光 川右岸にある葭原で執り行われています。

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午前7時前、出発に際して一同須成神社拝殿前で参拝を行います。

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葭刈に向かうのは、白装束に身を固めた若衆6名、今年の1月に成人式を迎えたばかりの若者たちです。

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参拝後、若衆勢揃いして拝殿前で記念撮影、そして神社隣の天王橋北側から午前7時ちょうど、葭刈舟へと乗船し出発します。

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数年前までは、舟を操作するのも若衆達でしたが、舟の扱いを知らないのでかつての若衆(現祭役員)が代わって舟を操作しています。 出発直後には、堤防両側から大きな拍手がありました。

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葭刈太鼓を叩きながら蟹江川を下って、一路、弥富市亀ヶ地地区へと向かいます。

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天王橋や両岸の堤防には見学の方々が多く集まっていました。出発を見送るもう一つの楽しみはこれです。ちまき餅です。

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この「ちまき餅」は川を下る葭刈舟から両岸へと撒かれるもので、この「ちまき餅」を食べる と夏病みしないと云われている縁起物とのことから多くの方が両岸に拾いに見えていましたよ。中にはタモ持参の方も見えるようですね。。「ちまき餅」を受け取ろうと多くの方が、天王橋につめかけていましたよ。

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蟹江川両側の堤防に近寄りながら「ちまき餅」を撒きながら進みます。皆さんも「ちまき餅」を撒いて貰おうと大きな声をかけながら葭刈舟を追いかけます。

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葭刈舟は、天王橋を出発し2番目の橋である御葭橋を通過していきます。特に蟹江川にかかる橋周辺 で「ちまき」が多く撒かれるようで。。みなさんも良く知って見えますからね。。待ちかねて見えますよ。御葭橋は大賑わいでした。

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須成地区を通過し、下流の今、蟹江本町地区でも葭刈太鼓を打ち鳴らして「ちまき餅」を撒きながら蟹江川を下っていきます。やがて午前8時に須成を出発した役員を乗せた船と合流し、一緒に下流部へと進んでいきます。

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約1時間20分後、蟹江川下流部、舟入地区の「水辺スポット」で葭刈歓迎行事が行われていました。

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舟入地区は昔から漁業の町として有名で、須成葭刈の際は、この地区で多く「ちまき」を撒かないと足止めを喰うと言うことで特に多く撒かれたそうです。漁業で生業を営んでいたこの地区にとっては、須成葭刈舟から撒かれる「ちまき」はとても大事な縁起物だったようですね。。

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舟入地区役員の皆さんの歓迎を受け、小休止した後に再び乗船して葭刈の行われる弥富市亀ヶ地地区へと進みます。

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これからが神事の本番です。若衆皆さんには、しっかりと伝統文化の醍醐味を味わっていただきたい物ですね。

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こちらは亀ヶ地地区です。一行は、上陸する前に2本の笹竹をこのように立てて地元役員へ挨拶に向かいます。そして再び乗船し、葭刈り場へと案内していただき葭刈を行います。出航半日後、葭刈舟は葭刈行事を済ませて須成地区へと帰って来ます。河口部に堰が出来る前は、干潮を利用して出航し葭を刈り、満潮を利用して帰ってきたのであまり苦労はしなかったようです。 舟が転覆しようが満潮を利用して地元へと帰れたようですよ。。

本日刈り取った葭は、後日行われる「葭揃え」により、葭を数十本束ねて直径1尺以上にして、衿を切りそろえ、一方は葉をそのままに残して、これを4束作り、宵祭・朝祭の間、須成神社祭文殿の正面右側にお供え されます。御前には一角の獅子頭と神馬の絵馬が6枚並べられます。ご神体は姿のよい葭を一筋選んで御幣を付けた人形ですが、これは一年前の宵祭の際に、神事に先立って神主様が作られた物です。ご神体の葭は津島と同様、「真(芯)の神葭」と称して、神霊の依代(よりしろ)として最も貴重なものとされます。

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今週土曜日(8月1日)には宵祭で巻藁船(写真 左)、翌日曜日(2日)には朝祭で車楽船(写真右)が蟹江川に浮かびます。一番の見所は、祭のために年に2日しか跳ね上がらない御葭橋を両船が通過する所でしょうね。素朴なふるさとの祭ですが、地域のみなさんの楽しみにしている年に一度の優雅な川祭です。。いよいよ始まりましたね。。

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本日のお土産「鳥の子」と「ちまき」です。夏病み防止として有り難くいただきました。手前が「ちまき餅」です。同じ天王祭である祇園祭の笹(マコモ?)を巻いたちまきと異なり、2~3センチの角餅をマコモをないた(よりをいれた)ものではさんであるのが特徴。やはり舟から両岸へと撒く(投げる)にはこの形が良いとの先人の知恵ですね。写真 奥は、「鳥の子」と言われる白と黄色のおこわを蒸して、鳥の形ににぎり、黒豆 を2個付けて目のようにしたものです。本来は葭刈の弁当代わりと世話になる亀ヶ地の役員方々への挨拶用として用意されたものですが、やはり夏病み防止に役立つと伝えられて、葭刈り帰路に舟から投げる場合もあるようです。