遙かネットの昔話 「『裏伝言板』事件」(1) | 空飛ぶ栗鼠と星の海(跡地)

遙かネットの昔話 「『裏伝言板』事件」(1)

 わたしがJ氏のサイトの存在を知ったのは、ネットを始めてちょうど1年といった時期でした。
 きっかけは何てことはない、「エニックス」で検索をかけたらたまたま引っかかったんですな。こんなサイトがあったのかと感心しつつ見回っていたら、なんと伝言板に、「あの」N先生が普通に書き込んでいるではありませんか。ネットってすごいなァとつくづく思いつつ、わたしも下心ミエミエで書き込んでみる。即座に反応してくれたN先生に、すっかり舞い上がるむささび。調子に乗ったわたしは、しばらくサイトの話題そっちのけでN先生との会話に興じてました。ちゃんとサイトの趣旨に添った話をしたいひとたちにしてみれば、ウザいことこの上ない。いわゆる「板違い野郎」ってやつですな。はっはっは。
 で、さすがにN先生もそのことを気にしたのか、「我々だけでここを占拠しているのもアレだから、別に隔離場所を作ってもらえませんか」と管理人のJ氏に申し出て、J氏も了承する。そうして設置されたのが、「裏伝言板」でした。表の伝言板にはサイトの内容に関する話をしたいひとが書き込む。その一方で、「裏」にはそれ以外、つまり日々の雑談やらディープな話題やら、表に書けないようなことも書き込むことができた。当然わたしは「裏」の人間になりました。
 裏伝言板で、わたしは何の気兼ねもなく毎日のように下らんことを書きまくってました。折しも自分でサイトを開設した時期でもあり、なんか色々と舞い上がっていたんでしょうな。N先生も負けじ(?)と、当時連載中だったマンガの話とか、他の作家さんの裏話とか、他では聞けない話題を提供してくれました。そして、その際によく名前が出てきたのが、4コマ作家のYでした。数年後にはネット上にその名があまねく知れ渡ることになるわけですが、この時期すでにYの悪行はN先生の口から語られていたんですね。エニックスの作家が集まるパーティに一般ピープルを紛れ込ませて他の作家さんに迷惑をかけたとか、大して親しくもない女性の作家さんに「エロ絵を描いてくれ」と書いたファックスを送ったとか、その内容はどれも衝撃的なものばかりでした。マンガを読んでいるだけでは、とてもそんなコトするようなイメージは無かったですからね。
 ちなみに、その1年ぐらい後に、N先生が開いたサイトにYが乗り込んで大喧嘩した挙げ句、サイトを追放されたという出来事もありました。まァ、それは当時あのサイトを見ていた者なら覚えていると思います。
 年が明けて、1月から2月の上旬まで、受験態勢に入るためにわたしはネットを離れました。ええ、実は当時受験生だったのですよ。ネットに繋がないからといって、それで勉強に集中できたのかというと実際はそうでもなかったりするんですが(苦笑) きっちり断たないとホントにズルズルとネットやってそうな感じだったので、泣く泣くモジュラケーブルを引っこ抜きました。そして、最悪なことに、事件はその留守の間に起きました。