★「大仙厓展」すごく良かった~。
大仙厓展。良かった!非常に良かった!
笑いとユーモアで教えを人々に伝えた仙厓の画は、軽くて深い。
★「考えるな、感じるんだ!(by松岡修造)」
ハイ、考えません…
ところでこの画のタイトル『○△□』、何コレ?。
…いえ考えてません、何言ってるの?と思っただけで笑。
(「〇△□」仙厓筆 江戸時代 出光美術館蔵)
↓これが『自画像』?ラ・フランスかと思った。
(「自画像画賛 紙本墨画 出光美術館蔵)
↓『円相図』というタイトルは立派だけど描いてるのはマルだけ。悟りの境地が○って何?
(「円相図」 仙厓筆 紙本墨画 福岡市美術館蔵(石村コレクション))
★20代の頃、最初に仙厓の画を観た時には、↑上のような、そーいう感想でした。
そしてトシを重ね
純粋真っ直ぐ君だった私ですが酸いも甘いも人生劇場で味わい、
偽善も善のうちよね、などと現実社会の「奥深さ」が身体に染みてきた今、
再び仙厓を観ましたら。。。
★…分かってきたのですよ!禅とは言葉で伝えられないものなのだと。
伝えられないものを、仙厓は教えてくれているのだと。
★例えばさきほどの『○△□』、鈴木大拙はこれを『ユニバースuniverse』と解釈した。
20代では「は?」と思っただろう私ですが今なら「なるほどね~」と心底面白く受け取る。
★「ラ・フランスの自画像」からは、壁に向かって9年間座禅を組んでいたために手足が腐ってしまったという達磨大師を思い起こす。
⇒30代の仙厓は天明の大飢饉(1782年~88年)に重なる苦しい行脚修行の時代。
仙厓の禅僧としての根本がそこに在る。
⇒極端にシンプルで、ひとふで書きのようなラ・フランス(しつこいね笑)の画を、数少ない自画像として残したその心を想う。
★〇だけ描かれた『円相図』に関しては、
何年か前に何かで「十牛図」なるものを観て、【これか!】と、心にライトニングがあった。
禅の悟りに至る道筋が表されている十枚の絵のなかの、八枚目(人牛倶忘)がまさに円相なのだけど、悟りを得て終わりではなく更に続き最後の十枚目は「悟った修行者が街へ出て童子と遊ぶ(入鄽垂手)」十牛図。
(↓の十牛図は相国寺蔵 伝 周文筆。十牛図は様々な「図柄」があります)
(↑8.人牛倶忘(にんぎゅうぐぼう) )
(↑10入鄽垂手(にってんすいしゅ))
禅は悟りを「円」の象徴で表すようですがその円を仙厓は「これを食え」と。丸いお饅頭を差し出すように。
観る者は笑顔になり同時に自然に「禅のこころ」を学ぶ。
(「これ食ふて 御茶まいれ」と添え書きしてる↑)
★88歳で亡くなる1か月前まで描いていた仙厓。
(絶筆となった『不動明王図』;凄まじいエネルギーです。カワイイ仙厓、だけではなかったことがよく分かる。同展展示。これも必見!)。
★今回の『大仙厓展』は
仙厓に魅入されハマった<海賊とよばれた男>出光佐三コレクション、仙厓活躍の場であった福岡の福岡市美術館、九州大学文学部の三大コレクションの名品が一挙集結。
拙ブログ記事には書ききれない魅力的作品目白押し。とても貴重な展覧会と思います。
13日㈰迄@出光美術館。ぜひ、おすすめします。