「小さな自然再生のすすめ」シンポジウム 大盛況で終えることができました^v^ | 水辺のフィールドミュージアム研究会 ~小さな自然再生の実践~

「小さな自然再生のすすめ」シンポジウム 大盛況で終えることができました^v^

7/31(土)

『小さな自然再生のすすめ』 シンポジウム


170名程度の参加者をもって、大盛況にて終えることができました。

趣旨賛同の上、遠方からたくさんお越しいただきありがとうございました。


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☆お知らせ☆

「シンポジウム参加者への配布資料(リバフロのローテク・エコテク資料と

ソーラーパネルと小型ポンプでの渇水対策リーフレットを含む)」

30部ほどを1000円(送料含む)にてお配りすることができます。

ご希望される方は、mizubefmk(@)gmail.comへとご連絡ください。


振込みは郵貯銀行、池田銀行、三菱UFJ銀行、切手での郵送からお選びいただけます。

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日本の自然再生は、理論や概念に関する資料がたくさん存在することに比べ、

それらを実現させてゆくための技術に関する資料が少ないという現状があります。

本シンポジウムでは、これらの技術について、NPO団体などが行える小規模なものから、

地方自治体など小規模な事業主体が行えるものまで取りあげ、ご紹介しました。


以下に各講演者の発表内容、アンケート意見を掲載しました。

ぜひご覧頂ければと思います。


我々一同にとって始めてのシンポジウム開催でしたので、至らない点も多かったかと思います。

皆様のご意見は、今後の発展へと変えさせていただきたいと思います。

ありがとうございました。


(さらに、追加にて御意見あればお待ちしております。)


以上、水辺の会 代表 K

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【各講演者の発表内容】

○浜野 龍夫 先生 (徳島大学総合科学部 教授)

行政が取り組む小さな自然再生として、山口県にて先駆的な施工活動を行ってこられた浜野先生をお招きしました。「水辺の小わざ」とは何か?といったコンセプトの部分から、魚道づくりに関する新しい技術まで、理論に留まらず、実際の事例を中心にご紹介いただきました。

「動物と人は感じ方がちがう」とういことで、人間の目から見た河川景観を良くする自然再生ではなく、小規模でありながらもその水辺にふさわしい改善策を、より効果が得られる適する場所から優先的に実施してゆく。そのための技術の一部を、小さな自然再生として、今回お話ししていただきました。


なお、浜野先生は数年前に、山口県職員の方々と一緒に「水辺の小わざ」という冊子(以下URL参照)を発行しておられます。水辺FM研究会のKはこの本を隅々まで読み、ぜひとも先生の自然再生に対する考え方を伺いたいと思っておりましたので、大変勉強になりました馬

http://web.ias.tokushima-u.ac.jp/aragimo/page29/page29.html



○佐竹 節夫 さん (コウノトリ湿地ネット)

兵庫県の豊岡市において、コウノトリを野生に復帰させるために取り組んできた内容についてお話いただきました。サファリパークのような野外動物園にするのではなく、本当の意味でコウノトリを野生に返すのだという強い意志を感じました。本当に数え切れないほどの試行錯誤があって、それでもあきらめずに取り組んできたからこそ今があるのだと思います。一度は野生絶滅した種を復活させるというのは非常に挑戦的な試みですが、決してそれは不可能ではないと確信させてくれました。

  (コメント;水辺の会副代表O)


○服部 泰樹 さん (里山レンジャー)

ニュータウン内に造成された自然公園にて、カスミサンショウウオをはじめとする湿地生物の再生活動についてご紹介いただきました。公園化され、すっかり乾燥地へと変わってしまった自然環境の中で、林床部へと穴を掘るだけでカスミサンショウウオが卵を産みに来るという、非常に簡単で、効果の高い技術についてお話していただきました。カスミサンショウウオ以外の取組みも行われているようですので、まだまだ今後の活躍が期待されます。


○大山 謙 さん (株式会社一成,武庫川上流域ルネッサンス委員会)

天然記念物であるオオサンショウウオは、産卵の前に川を遡上します。兵庫県内の川にはたくさんの堰が存在し、登れない箇所が多いため、これらを解決するための安価な手法について2事例、失敗と成功についてお話しいただきました。升カゴを利用したオオサンショウウオの魚道は、耐久性がある上に、大掛かりな魚道をつくるよりも経済的であり、たくさんの箇所を一度に解決したい場合に利点の多い手法であると思われます。


○三木 進 さん (こどもと虫の会,佐用町昆虫館)

土石流によって被災した佐用町昆虫館の復旧活動についてお話いただきました。その場所にどんな環境があったのか?ということを知っているメンバーがいるからこそ、ゴールとなる目標を見据えて復旧活動を行うことができたということを知ることができました。とても大切なことだと思います。また、昆虫館復帰へ向けて、これまでにたくさんの方々(約400名でしたかね?)の地道な努力の存在があるということを教えていただきました。


○久加 朋子 さん (水辺のフィールドミュージアム研究会)

私たちの団体の活動紹介をさせていただきました。私たちは、自然が豊かな地域と人間の活動域が隣接しているニュータウンにおいて、ほんの少しだけ手を加えて自然環境を復元しようという取り組みを行ってきました。思えば数年前、博物館に出入りしていた同年代の仲間と半分遊びではじめた『小さな自然再生』を、このような形で紹介できるようになるとは、初期メンバーの一人として感無量です。今では一緒に活動してくれる仲間も増え、また、各地で同じような取り組みを行っている団体ともお知り合いになり、このようなシンポジウムを開催できるようにまでなりました。ただ、これは新たなスタート地点に立ったにすぎません。次の目標は、日本中で小さな自然再生が行われるようになることです。

  (コメント;水辺の会副代表O)


○岩瀬 晴夫 さん (株式会社北海道技術コンサルタント)

20年ほど前から多自然川づくりに向け、様々な技術的取組みを行ってこられた岩瀬さんをお招きし、その豊富な知見と事例をご紹介いただきました。実体験に基づく16事例は、自然再生を目的とする施工を行った後、数年~10年ほどたつと、環境がどのように変化してゆくのか?という視点に立って、失敗と成功事例に分けてお話し頂きました。

現在、様々な分野で技術継承の重要性が歌われておりますが、岩瀬さんの長年の経験から得られるお話しはまさに圧巻であり、アンケート意見にもありましたとおり、ぜひとも実例をこの目で見ながら、お話しを聞き、できればちゃっかり施工にまで参加したいなどと思ってしまいました。

特に、バーブ工(かなり鋭角に河道上流部へと突き出す水制工)を用いた砂州の造成法に非常に興味を抱きましたが、皆さんはいかがでしたでしょうか?


以上、水辺の会 代表 K



【アンケート意見】

アンケートを見る限り、多くの方から多数の事例が多様な視点で紹介されていることに一定の評価を頂いております。また、安い、簡単だけをポリシーとして欲しくない、という意見もあり、いわゆる「能書き」、「ポリシー」の部分が必要であるという意見も2,3件ありました。役所との連携といった社会学的な観点も加えて欲しいという指摘もありました。

それと、質問・総合討論の時間をとって欲しかったという意見もありました。ですが、これは事例をたくさん紹介することを今回の主眼においていたので、ご容赦いただければと思います。


以上、博物館 M


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以下、他の理事メンバーからの記事も掲載しております。(↓)


水辺のフィールドミュージアム研究会 ~小さな自然再生の実践~
~シンポジウムの様子~


我々の活動における一つの集大成とも言えるこのイベント


一般参加者・スタッフ含めて約170名と、大盛況になりました。


参加していただいた方にも楽しんでもらえたようで、


かなりの盛りだくさんな内容であったにも関わらず、


最後まで活発な議論がなされました。




参加者の方々から『面白かった』『自分でもやってみようと思った』


『こういったアイディアが必要』といった好意的な声をいただき、


私たちの考え方は間違っていなかったと確信できた一日でした。




参加してくださった皆さま、発表者の皆さま、また、会場提供ならびに運営に


協力してくださった兵庫県立人と自然の博物館の皆さまに


心から感謝申し上げます。




多くの方から『来年もぜひ開催してほしい』という声をいただきました。


ということで、


第二回『小さな自然再生のすすめシンポジウム』2011年開催決定!?


乞うご期待!!



写真1:
水辺のフィールドミュージアム研究会 ~小さな自然再生の実践~
会場には約160名が詰めかけました。



写真2:
水辺のフィールドミュージアム研究会 ~小さな自然再生の実践~

我らが理事長の発表風景です