白の歌姫の物語
春の国に生まれた歌うのが好きなお姫様。
雪の国をどうしても見たくて、黙ってお城を抜け出します。
雪の国にいたのは、ただ1人の女王様。
「やっと見つけた」
そういうと、女王様は、春のお姫様の腕をつかみます。
その瞬間、何もかも凍らせてしまうと言う呪いが、女王様から、春のお姫様に移ります。
呪いのとけた女王様は、自分が凍っては大変と、何も持たずに、走っていってしまいました。
何もかも凍らせてしまう呪いを受けたお姫様は、春の国へは帰れない。
女王のように、誰かに呪いを移すことも考えられない。
誰も雪の国へ近づけないように、雪を降らせています。
ただ、迷いこむ鳥だけは、どうにも出来ずに、凍りついた鳥に涙するのです。