レントゲンを終えて、診察に呼ばれる間

薬剤師にいちゃんと

ランマークについての談義に熱中していた私。





そこへ、ようやく診察のお呼びが掛かった。





『雛さーん。診察室へどうぞ。』





いよいよ主治医のいる診察室へ。







緊張する私に



『大丈夫!』



拳を握って、見送ってくれた
薬剤師にいちゃん。










バクバクする心臓。



ゆっくり歩きながら診察室へ。






『すみません。今日もお待たせして。


どうですか?痛みの具合は。

相変わらず…痛い?』





はい、相変わらず、です。




『相変わらず…か。

どんな時に一番痛む?』







一番痛いのは、座ってる時で
立ち上がる時にも。

次に、階段の上がり下がりですね。




『そうですか。


実は、追加で血液検査したのは

もしランマークに切り替えるときの

参考にする為だったんだけど

意外な数値が出たので

ちょっと驚いたんだけど…ね。』





そう話しながら、主治医は

PCの血液検査データ画面を開いて、説明を始めた。







『今、風邪っぽい?

咳や発熱はない?』






いいえ。


2週間前に発熱したけど
今は下がってますし

風邪の症状もありませんけど…







『そうですか…



実は、白血球なんですけど
標準値より高くてね




一万越えちゃってるから

風邪か、もしくは何かの感染症かもと

思ってたんだけど

念のため、肺と骨盤周りのレントゲン

撮らせてもらったんだけどね。』





いち、一万ですか?


それって、何か問題なんですか?






『問題というか、

何か異常があるんじゃないかと



で、レントゲンで見えたのが


ここ。』







PCのレントゲン画面を指差す主治医の指を

マジマジとみると





『座骨に骨折の疑いがあるね。』






骨折?




『ゾメタの副作用によるものか

がんに侵されてなのかは

MRIで詳しく調べたら判断できるけど


これが原因だとすると

やっぱり、ランマークに切り替えた方がいいかもね。』






またしても、骨折の疑い。

だったら、痛くて当たり前。




あの…やっぱり

先生は、ランマーク奨めますか?






『骨への破壊を食い止めるには

ゾメタより効果は大きいと言われてるね。』






切り替えってすぐ、この場でできるんですか?




『うん。できますよ。』








まさかの白血球、一万越えに

動揺した私。






ゾメタをしているにも関わらず

改善されない現状に

嫌気がさしてきてる。







今が、潮時……なのかも。




『使ってみる?』





放射線を選択することに比べたら


それほど深刻に考えなくてすむかも。







はい、

お願いします。








優柔不断な私が

ランマークへの切り替えを決意した。









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