■植物名:クコ(枸杞)の実
クコの果実は粥に入れられたり、
お酒に漬けこんでクコ酒にする等、
薬膳料理ではともてポピュラーな食材です。
なおクコの果実の他、根皮、葉も、
それぞれ生薬として用いられます。
◆枸杞子(くこし)(=果実)
血圧や血糖の低下作用、抗脂肪肝作用、
老化予防、免疫賦活作用 他
◆地骨皮(じこっぴ)(=根皮)
抗炎症作用、解熱作用 他
◆枸杞葉(くこよう)(=葉)
血圧の低下作用 他
最近では、美白作用、抗酸化作用、コラゲナーゼ
活性阻害作用 他の研究も報告され、
アンチエイジング素材としても注目されています。
■学名:Lycium chinense
■原産地:中国
■科名:ナス科クコ属
■使用部位:実
■生薬名:枸杞子、枸杞、甘杞子
■性味:甘/平 帰経:肝・腎・肺経
■主要成分:
・ベタイン、サポニン:
血圧や血糖の低下作用、抗脂肪肝作用 他
・ゼアキサンチン、ベータカロテン 他:
老化予防、免疫賦活作用、抗眼精疲労 他
・クコの実エキス:
美白作用、抗酸化作用、
コラゲナーゼ活性阻害作用 他
■料理: 粥 他
■薬草酒:枸杞の実酒 他
■備考:関連文献他
●J Med Food. 2010 Aug;13(4):801-7.
「肥満ラットにおけるクコの葉粉末の 抗肥満作用及び脂質低下作用」
Kang MH, Park WJ, Choi MK.
肥満ラットに8週間普通食、高脂肪食、5%クコ葉粉末配合高脂肪食、10%クコ葉粉末配合高脂肪食の餌を食べさせ、クコ葉の抗肥満作用及び脂質低下作用について調べた。その結果、クコ葉摂取群ラットでは、体重の低下及び血清トリグリセライド値、LDLコレステロール値の低下を示した。また、抗酸化作用も示す結果となった。
●J Ethnopharmacol. 2010 Jul 20;130(2):299-306.
「酸化ストレス誘発性肝毒性に対するクコの実の細胞保護効果について」
Zhang R, Kang KA, Piao MJ, Kim KC, Kim AD, Chae S, Park JS, Youn UJ, Hyun JW.
クコの実の細胞保護効果を、過酸化水素によって誘導されたチャン肝細胞によって評価した。その結果、クコの実抽出エキスはチャン肝細胞細の各種活性酸素のフリーラジカルを捕獲した。また、過酸化水素によって減少したグルタチオンパーオキシダーゼ他の酵素活性を回復させた。さらに、細胞のDNA損傷及び脂質過酸化を減少させた。
●J Ethnopharmacol. 2005 Jan 15;96(3):529-35. Epub 2004 Dec 8.
「四塩化炭素誘導性肝毒性に対するクコの実の保護作用」
Ha KT, Yoon SJ, Choi DY, Kim DW, Kim JK, Kim CH.
クコの実処理により、明らかな肝細胞保護作用効果を示し。また併せて量依存的にヒドロキシラジカル捕獲活性も示した。さらに、クコの実は、チトクロームP450(肝臓において解毒を行う酵素)の発現量も減少させた。これらの結果より、クコの実による肝細胞保護作用は、抗酸化活性とチトクロームP450発現調整によるものと考察される。