以前にも「学園ナイトメア」という、「ひぐらしのなく頃に 目明し編/綿流し編」のコミカライズを担当した方條ゆとりの最新作について書いたことがあったみたいで、なにを書いたのがぜんぜん覚えていないのですけれども、とりあえず、その2としておきます。
以上、今日のブログのタイトルの由来(笑)
ガンガンオンラインというサイトにて、毎月第一木曜に更新されているこの作品の第2巻が今日、発売になりました。
とても面白いのです(=⌒▽⌒=)
まず、絵が可愛くて、きれいだし、あくまでもこれは個人的な好みなのですが、なんというか、スッとマンガの世界に入り込める感じというか、とにかくいいのです。
小説ならば文体、マンガならば絵、歌なら声、といったものが、その内容を伝えるのにとても重要な役割を果たしているような気がします。もしかしたら、内容以上に重要だったりするのかもしれません。
とはいえ、そういったものは個人的嗜好のようなものが強く働く部分なので、絶対的な基準なんて存在しないのは、いうまでもないことですね。カントの美の概念についての話と関係してくるようなしてこないような、聞きかじりなので、よく分かりませんけど。
なので、まず、こういう絵というのが、ミヨ介の感覚にしっくりとくるというわけですね。
カニコロッケが大好きで、どちらかという不思議ちゃん系といった雰囲気のヒロイン、クロエさん(作中で彼女は自分のことをそう呼んでいるので、なんとなくそれに合わせました)の可愛らしさもさることながら、この作品の眼目はなんといっても「ネットロア」というものでしょう。
ネットロアとはネットとフォークロア、つまり民間伝承、発展させて都市伝説といったものを融合させた合成語で、要するにネットで広がっている都市伝説ということですね。
この結びつきが、これ以上ないというほど自然で、きわめて適当なものであるように思われてなりません。
都市伝説というのは、口コミ、すなわち放っておけば無際限に連鎖し、膨張を続ける、いわばバブルのような噂によって成り立っている実体のないものですし、ネットもまた、液晶の中にのみ存在することの出来る世界、あるいは現実といったもので、わけても2ちゃんねるのような掲示板を始めとして口コミにはもってこいの場を提供しているものでもあるからです。
このような共通点があれば、両者が結びつくのも自然なことで。
と、同時に、昔ながらの口承とネットによる噂の差異も明確にされていて、それがネットロアの実体化というものに象徴的に(?)表現されているのです。
つまり、コピー&ペーストの機能ですね。
ネットは口承と違って、正確に、それこそ一字一句たがえることなく、元の話を次々と伝えていくことが出来ます。同じ言葉によって同じものが表象され続けていれば、その「もの」のイメージがやがては明確にされていくことも道理であって……実体化してしまうというわけです。
と、ここまで書いていて思ったのですが、あるいは昔のいわゆる言霊信仰とも、この作品は繋がってくるのかもしれませんね。
広島県の人里はなれた(?)全寮制の女子高を舞台に、そのようなネットロアを収集するクロエさんと、その仲間たちのお話なのです。
繰り返しになりますが、とても、面白いです。可愛らしい絵と、オカルティックな内容という、このギャップがまた魅力であるようにも感じられます。
ともあれ、「学園ナイトメア」、とても面白い作品です。