まだ未完成の記事もありますけど、ちょっと毛色の変わった話を一つ書いておきます。

 

昨日行われた優駿牝馬(オークス)。

 

人気になっていたのは桜花賞馬のソダシ。

 

白毛馬という特殊な毛色というのもあり新しいアイドルホースとしても話題性十分。ただ父親がクロフネという事で2400mの距離が不安視されていました。クロフネ自身がダート2100mでG1レースを勝った事があったものの子供達でG1を勝ったのは2000m以下。唯一の例外でジャンプレースのG1を勝った馬はいましたけど、そのアップトゥデイトとて最期はスタミナが要求されたレースで力尽きたように心臓発作を起こして死んでしまうという結果に終わってますし。

 

元々札幌競馬場というタフなコースの1800mデビューという将来このオークスを意識したような初陣を飾り、同じ距離の札幌2歳ステークスで男馬を下して重賞初制覇をしている上に、東京競馬場もその次のレースで経験済という事で問題ないかなと思ってはいたのですが・・・。

 

ゲート入り。母親がゲートに入るのを散々嫌がって競走生命を短くした事もあってか一番先に入ったのですが、実にスンナリ。母系がダート血統と言われている中でどうも父親のち筋が色濃く出ているのかなと思って見ていたのですけど、2コーナーで折り合いが悪くなりチグハグな足捌きを見せました。

 

その結果普段よりも位置取りが悪くなり直線に入っても伸びきれず8着。それでも残り400mまでは来るかなって雰囲気だったので単に折り合いが悪い場面があっただけでなく血統からくる距離の壁があったのでしょう。もし同じ東京競馬場でもダート2100mなら両親の影響からぶっち切っていたかも知れませんでしたけど。

 

勝ったのはユーバーレーベン。父親がゴールドシップという長距離で実績がある馬。最近はウマ娘プリティーダービーというゲームやらアニメやらでお馴染みだと思うのですが、皐月賞は勝っていますがそれ以外は殆どが長距離での勝利という馬。クロフネとは正反対と言えるでしょう。

 

レースも馬群の後方から力強く伸びて快勝。桜花賞でも善戦はしていたのですが、やはり血の力が発揮されたのはこのオークスのような違い距離のレースでしたね。

 

もう一つ見逃せないのが、ビッグレッドファームの自家生産馬であることです。ゴールドシップ自体は日高の別の牧場で生まれたのですが、現役引退後はマイネルの冠号で知られる岡田繁幸さんに見初められてこのビッグレッドファームで種牡馬になりました。ソダシのように社台スタリオンステーションのソダシの子で安平町のノーザンファーム生まれというエリートとはある意味異なり、新冠町の所謂元々の馬産地で生まれ育った叩き上げ感がある馬がクラシックレースと言われるビックレースを制したのも大きいですね。その岡田繁幸さんが先日亡くなりましたが、ゴールドシップそして牧場としての初クラシック制覇という事で良い手向けになったのではないでしょうか。

 

この後恐らくそれぞれが10月の秋華賞に向かう事になると思われます。ソダシにとっては守備範囲の2000mになりますし、ユーバーレーベンも父親が活躍した阪神競馬場ですからどちらも2冠になる可能性十分です。勿論敗けた馬が成長を見せて最期の1冠を取る事になるかも知れません。いつもと違う舞台ですから余計楽しみですね。

 

今週末はいよいよ日本ダービーが行われます。桜花賞でソダシに迫ったサトノレイナスの参戦で話題になっていますけど、果たしてどのようなドラマが待っているのか?こういう血統に裏付けされたような戦いをまた見てみたいです。