今から5,6年前、公営競技は存亡の危機にありました。ギャンブル性悪説もあり関係者が必死にスポーツとしての公営競技への取り組みをしてはいたのですが、観客動員は減少する一方。結果多くの主催者が廃止の方向へ進んでいきました。昨今でも未だに燻っていてオートレース発祥の地・船橋が廃止になったのは記憶に新しいところです。

 

それを救ったのはインターネット投票の登場でした。地方競馬等は2013年頃に導入されて売得金が下げ止まりとなり、今では収益を自治体に還付する所も出てきました。昨日園田競馬場で台風による停電の際の代替開催がありましたけど、2億円以上の売得金があったそうです。通常時よりも3億は少ないですが、平日の昼間のしかもJRAのネット投票もない日でこれは健闘したのではと思います。何しろ場内の観客は1000人にも満たなかったのですから。

 

そういう事情もあるのでしょうか、地方競馬の場合ファンサービスは場内では主に重賞競走の日に行われる事が多いですし、それがシリーズでないと特に計画されてない事があります。例えば今日から佐賀競馬が開催されますが、初日に九州産馬限定のJRA交流レースが行われるのですが、取り立ててイベントが行われる訳ではありません。インターネット投票のポイント特典イベントがある程度です。地域性もあるので難しいのかも知れませんがせめて地元記者による予想会があると現地も盛り上げると思うのですよね。

 

他場を見ると重賞競走の際の予想会は割と多いですし、ゲストも競馬ファンのタレントが多くオファーされています。勿論抽選会も充実していてなかなかのグッズが用意されているようです。最近増えてきたのは競馬場でアイドルを作り出している所が出てきた事。園田競馬場のイメージガール(元々はナイター開催のユニットなのですが、通年活動をしているので)『SKNフラッシュ8』や船橋競馬場でライブを行っている『桜花のキセキ』等はその代表的なものでしょう。大井競馬場や川崎競馬場のように人気タレントをイメージキャラクターに置ける財政があればともかく競馬場からローカルアイドルを育成という方法は単に地方競馬だけでなく他の公営競技にも活かせると思います。かつてボートレース多摩川には事務所主導でのイメージガールは存在しましたけど、主催者主導でないと難しいですよね。

 

直近のファンサービスで面白そうと思ったのは川崎競馬場で14日にジャズのイベントがある事です。これは11月にある『かわsきジャズ2018』のPRでもあるのですが、レースのファンファーレをジャズの名曲で彩ったり演奏会があったりとナイター競馬をロマンチックに盛り上げるようです。このシリーズでは神奈川県の特定の市在住の方への優待企画も行われるようで、こういうのは地域密着で良いですよね。

 

インターネット投票の比率が高いとはいえ、本場の観客動員が増えなければ施設維持の問題も生じてきます。どんな形でも集客を増やす努力はしてほしいですね。

 

このシリーズ、残すはオートレース場のみなのですが、少し時間をおいて触れたいと思います。