私は競馬や競輪等の俗に言う公営ギャンブルを一種のスポーツと捉えています。

 

競走馬や騎手・選手が極限の状態まで作り上げて戦いに挑む姿は他の競技以上のものを感じています。だからこそお金を賭けずとも十分楽しめる訳です。もっとも私のように観て満足してしまう人ばかりでは主催者は運営出来なくなってしまいますが(笑)。

 

さて昨日は大井競馬場で東京ダービーが行われました。大井・川崎・船橋・浦和の南関東4競馬場の3歳馬№1決定戦。今年で64回目の大一番でした。最近はこの後に中央・地方統一の3歳馬頂上決戦・ジャパンダートダービーがありますけど南関東地方競馬の関係者にとってはこの東京ダービーは格別なものだと思います。

 

勝ったのはハセノパイロという馬。勝利騎手は矢野貴之騎手という33歳・17年目で初めてのダービー制覇となりました。そして2着に入ったのがクリスタルシルバー。騎乗していたのが鉄人・的場文男騎手。61歳でした。

 

還暦過ぎてもまだまだ第1線で活躍する的場騎手。この日も事前のレースで勝利し通算勝利数を7141勝として元祖鉄人ジョッキー・佐々木竹見元騎手の持つ地方競馬通算勝利記録にあと10勝となりました。しかもここにきてのペースが早く、この勢いでいけば今月中には新記録達成のニュースは聞かれると思います。日程を見ると浦和を除いて平日5日間のローテーションのようですし。

 

そんな的場騎手がどうしても手が届かない称号がこのダービージョッキーという栄誉。表題は的場騎手の東京ダービーの数字を指しています。中央競馬の日本ダービーで福永祐一騎手が19度目の挑戦でダービージョッキーになり感動が伝わりましたが、的場騎手はその倍近くの37度目の挑戦でしたが結果は2着。まあ馬自体が6番人気の伏兵でしたし、この人気自体的場騎手にダービーを勝ってほしいという応援馬券も含まれていたのは複勝が8番人気だったことでも判る位の実力でしたから大健闘とともに的場騎手の腕の凄さを再認識させられた訳ですが、それでも勝たなければならないのはどんなスポーツでも一緒。これでなんと10度目の2着という悔しい結果となってしまいました。

 

ここまでの騎手ですからゴール直前もしかするとという場面になった際、場内実況も勝ってほしいという思いが強くなってしまったのでしょう。テレビの画面越しに観ても明らかに差されているのにも関わらず「的場勝ったか」とアナウンスしていましたからね。やはりなんとしても勝たせたいとの思いはファンのみならず関係者にも大いにあるのでしょう。

 

もう年齢的にも新記録を達成してしまうとどれだけ騎乗するか判りませんから来年ダービーに騎乗するかは微妙です。しかしこれだけの騎手がダービージョッキーの称号を得ないで引退するのは残念でなりません。出来る事であれば来年それなりの有力馬に騎乗して悲願の東京ダービー制覇を達成してほしいものです。

 

まずは通算勝利新記録ですね。果たしていつになるのか。来週の川崎か?再来週の船橋か?それともその次の週のホーム大井まで持ち越す事になるのか?期待したいと思います。