「日本は外需依存率が高い」はウソ | 大阪・南森町ではたらく女性社長のブログ

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営業戦略コンサルティングと営業代行の両方をやっているミネルヴァ経営社長の上船が中小企業の営業戦略、お仕事術、お仕事日記、考えなどを綴ります

私が出しているメールマガジン「小さな会社★勝利の方程式」第54号に、間違いがありましたので、再発行しました。
ちょっとした誤字脱字ぐらいだと、そんなことはしないのですが、重要な数字を間違えていましたので。

メルマガの中で
「日本の外需依存率(輸出/GDP)は14.8%と(2006年)消費大国アメリカ(7.9%)に次ぐ低さです。ちなみに、韓国は36.7%、中国は36.6%もあります。」
と書いたのですが、アメリカの数字を、間違って18.7%と書いてしまったのです。
これはイギリスの数字。

で、今回、日本と諸外国の外需依存率を調べるうちに、明らかになったのが、アホなマスコミだけではなく、れっきとしたシンクタンクのエコノミストが、「日本の外需依存率は高い」と言っていること。

とあるSNSの日記には、サイトタイトル、シンクタンク名、URLも書いているのですが、アメブロだと、誰が見るかわかりませんのでね。
彼らの名誉のために、伏せておきます。

「率」というからには、ちゃんと数字を挙げ、「依存率が高い」というからには、比較対象として外国の数字も、挙げて見せなければ「高い」ということはできないと思います。

でも不思議なことに、「日本の外需依存率は高い」と書いている文章は、どれも、外国の数字を挙げていないばかりか、日本の数字さえ、挙げていないものもあります。
(中には、以前からGDPへの内需の寄与度のほうが高いところに、外需依存度がますます下がっている数字を挙げながら、「外需依存の構造が続く」と、辻褄の合わないことを平気で書いているひどいのもありますがね)

シンクタンク、エコノミストを名乗るなら、数字を挙げ、比較するというのは、基本中の基本だと思いますが、基本をわかっていないのか、知っているのに、数字を出すと「本当は高くない」ことがバレるから隠しているのか、どうなんでしょうね。

こういうと、彼らを支持する人から「以前の日本と比べると、外需依存率は高まっている。だから、
外需依存が進んでいるとは、いえるんじゃないか?」といわれそうなので、先に言っておきます。

世界的に、国同士の経済の相互依存が進んでいる中にあっても、日本が特別、輸出の伸びが大きいということを、証明しなければ、いけないのです。
上に上げたエコノミストたちの分析は、もっともらしい数字を出して「ほら、日本の外需依存率はすごく増えているでしょ?」といってはいますが、「どこの国も、そうなんじゃないの?」という疑問には、まったく答えてはいません。

1999年と2006年の日本、韓国、中国、ドイツの外需依存率を見てみると
日本は10.2%→14.8%(1.45倍)
韓国は36.2%→36.7%(1.01倍)
中国は19.9%→36.6%(1.84倍)
ドイツは26.7%→38.7%(1.50倍)
となってるわけです。

(もともと外需依存率の高い)韓国よりも、伸びが大きいけど、中国に比べるとたいしたことない、ドイツなんて、倍率で見ると日本より少し伸びが大きいな、っていう程度だけど、もともと4分の1を外需に頼っていたのに、3分の1にまでなっちゃった、ということになってるわけです。

私なら、この程度で「外需に頼りすぎ!エライこっちゃ!」と大騒ぎなんかしませんけどね。

ということで、大手シンクタンクのエコノミストのいうことは、真に受けないで、疑ってかかり、自分で調べたり分析したりしましょうね、って教訓と受け止めてくださいね(^-^*)レモレモ♪

ちなみに、メルマガ本文では、なんで、不景気は「気」のせいなのか、を「日本の外需依存率は決して高くないから」というの以外にもいくつか、理由を書いてますんでね。
よかったら見てくださいね(^-^*)レモレモ♪
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