小説「虹の岬の喫茶店本著:森沢明夫」に魅せられて
小説の舞台になった実在の喫茶店への一人旅。

目的はこのカフェ岬に行く!たったひとつの目的のために出かける一日。
とても贅沢な時間の使い方ですよねキラキラ


どんなところだろう・・・。
期待と緊張を胸にお店がある明鐘岬(みょうがねみさき)へ続く国道を車で進むと、
到底、お店があるように思えないような勇ましい岸壁と向かい合わせの海岸。

それでも、地元では有名なお店らしく
タクシーの運転手さんのおかげで迷うことなく到着しました。

店内が丸見えのガラス戸をのぞくと複数の人々が一斉に手招きを!

えっ?全員、お店の方?
小説の世界では女主人が一人で営業しているカフェだったはず!
そんな知識がなければ、思わず店内の全員がカフェ店員だと錯覚してしまうほど
みんなで私を迎えてくれました・・・。


思えば、この瞬間に私はふしぎの扉を開いたのかもしれませんドアキラキラ

あたたかく迎えてくれたのに過剰にかまいすぎることなく、
私に窓際の席を確保してくださったら、私のリズムに切り替えてくれる・・・。

カウンターの奥からひょっこり顔を出した小柄な女性!
あっ、この人が女主人ねっラブラブ
ようやく、店内の他の方々が常連客だと把握できました。


写真とアートとCDでいっぱいの店内と、目の前の海を順に見ながら
入って数分しか経っていないのに既にこの空間に馴染んでいる自分を発見!
あれれ、とっても楽だ・・・。あれれれれ。

自分がやわらかくなっていく心地よさに包まれながら
とりあえず、何か頼むことにしました。



小説の中では極上の珈琲を出してくれると書かれているカフェコーヒー

期待度満点アップ

女主人のアドバイスで酸味の効いた豆であるグァテマラを注文しました。

まろやかなジャズのBGMとともに運ばれた珈琲。

ここはお客さんに合わせて選曲も女主人が考えてくれるそうです音譜

開店して36年!開店当初の建物とは趣が変わったのは
火事で全焼してしまったからだそうです。
とはいえ、昔の建物を知らない私としては今の佇まいも充分魅力的です!!

とても不思議な感覚なのですが・・・。
心身が健全になっていくような気持ちになっていくんです。
海を見ながら、自分の心がまるで海のように広がっていくはてなマーク
とにかく、こんな気持ちは初めてですキラキラ


このふしぎな満たされ感!

小説の舞台になるのも納得です。


しかも、今度は映画化の話しも決まったということで
開店当時の建物が再建されていました。



この物語は女主人のお人柄と出合った客の心の変化、
そして、極上の珈琲と音楽が融合する中、
明鐘岬から見える夕日の美しさも魅力的に書かれていました。

映画の世界ではどのようになっていくのか楽しみですが
いち早く、現地に行ったものの特権として肉眼で感じ入ってみたいキラキラ



幸い、お店は何時間いてもいいような雰囲気なので
のんびりと日暮れを待ちながら、ゆったりゆったり・・・。

知らず知らず、自分と和解していくような、
鎧を外した自分が露呈していく・・・。


ふしぎなふしぎな・・・。素晴らしき時間。


お店の外にはもう一棟、教会のような美しい建物がキラキラ

実はこちら、トイレなんですベル



さて・・・。二杯目をいただきましょうかと頼んだブレンドコーヒー

思わず「おいしいっ」と声が出ましたラブラブ!
もしかしたら今まで飲んだブレンド珈琲の中で一番おいしいかも合格



小説の中ではおいしい珈琲をいれるコツは
「おいしくなぁれ」と想いを込めていれることと書かれていましたが
本当にそんな心を注ぎながら一杯の珈琲をいれてくれていそうな節子さんラブラブ

優しい笑顔と、時折、どこか少女のように無邪気に話す仕草が
とっても魅力的な女性でした。


すっかり、ふしぎの世界に馴染んだ頃、
お店のお客さんとはもう長い間のご近所さんだったような感じになり・・・。



その頃、海にはこんな夕日が・・・。
静かに一日が閉じていきました・・・。



そろそろ東京に戻らなくては・・・と私が扉を開けた瞬間
「気をつけてね」と全員が声をかけてくれました・・・。


お店の扉は閉めるけれど、心に舞い降りたふしぎの扉は大切にしたい。
いただいたものが大きく、それを明日からの自分の
優しさと強さに変えたい・・・。そう思いました恋の矢



「夏にまた来ますね」