同じ治療を行っても効果がでる場合とでない場合があります。
同じ治療でも結果を出せる人と出せない人がいます。
あるいは
同じ治療を行っても効果が出る患者さんと出ない患者さんがいます。
もちろんある治療がある人の内部に引き起こす反応は個々人で異なりますが、
治療効果を高め、それを継続させるためにはある「法則」が必要となります。
この「法則」は原理・原則と同様に多くのメソッドにおける共通項みたいなものですが、
ヨガの世界では「統一と放下の法則」と呼ばれているそうです。
これは、あるアーサナ(ヨガのポーズ)を行ったら、=統一
その後、かくつろぎのポーズ(シャバ・アサナ)を行い、=放下
そのアーサナが心身に与えた影響や反応を観察するということを繰り返すのです。
すなわち、
治療した後に、=刺激
心身の変化を内観してもらい、=反応観察
その治療がからだに起こした変化に”気づいて”もらうということを繰り返します。
一般的な言葉でいうと「刺激と反応観察の原則」とも言えます。
この反応を観察する過程、認知過程において、
からだの変化が脳内に記憶され、学習されていくわけです。
からだの智慧(自然法則)が心の中に記憶されると言い換えてもよいですね。
すなわち、
治 療 → 内 観
↑ 記憶 ↓
内 観 ← 治 療
治療と内観を繰り返す過程で、変化が記憶されていくわけですね。
そして、からだの内側から、自己の歪み、アンバランスに気づくことができると、
自然と身体感覚が高まっていき、からだの声に従って行動できるようになっていくのです。
「Awareness through movement」
「動きを通しての気づき」
という言葉はフェルデンクライスメソッドという身体訓練法の言葉ですが、
この「気づき」を得ることがとても大切なのです。
例えば、食べ物は、どんな栄養価の高いものでも、
口にしてすぐに栄養として体に取り込まれるわけではありません。
胃で消化をして、
腸などで吸収し、
体に取り込まれていく、というプロセスを経ています。
体の変化も同様に、
たくさんの変化を与えても、
それをゆっくりと味わう時間がなければ、
しっかり吸収されないのです。
変化をゆっくり観察し、味わうからこそ、
自分のからだに起きているいろいろな変化に気づき、
気づくからこそ、その変化が定着していくのです。
意識していなくても治療が上手な人は、
患者さんにきちんと治療の理由を説明し、
その前後に評価を行って、
体の変化に気付いてもらうように自然と行っています。
逆にセラピストが何も考えてなくても、
身体感覚のよい患者さんであれば、
勝手に自分のからだの変化に気付いて、
ひとりでに良くなっていってしまうものです。
そして、こういった気づきを得る経験を積み重ねていかないと、
自分の「からだからのシグナル」に気づけないままとなってしまいます。
大きな病気を発症した人に話を聞くと、
病気を発症する前兆なんてまるでなかったように語る人が多いようですが、
端から見ればとんでもなく乱れた生活をしていたり、
みるからに不健康そうな体つきをしていたりするものだそうです。
自分のからだの内側からの声、
微細な心身の変化に気づくことができる状態が、
健康を保つうえでとても重要であり、
それこそが真のセルフケアに繋がるのではないかと思います。
ちらっと出てきただけですがフェルデンクライスおすすめです!
もともとはリハビリ向けに開発されたメソッドで、
誰でも簡単にできて効果てきめんの運動療法であります。
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トータルセラピーについて
・ホリスティックな健康観とは何か
その人を理解するために、
その人の暮らしを理解するために、
その人の生き方を尊重するために、
人という存在に関わるすべての事象を捉え、
それぞれのつながり、関係性を考える。