同年代の木山監督率いる水戸。今では考えられない「ベビーブーム」の影響で、仲間が多いこの世代。福岡の篠田監督もそう。バブルの世代を経験しながら、その負の遺産(受験戦争、就職氷河期)しか受けられなかった不遇の世代。その分、根性は据わった人は少なくない。

ここに来て水戸の大将が帰ってきた。第1クール、得点王争いに絡んでいた荒田だ。試合中に怪我をして長期離脱を強いられたが、その試合が鳥栖戦だった。普通に出場されても怖いのに、怪我をした鳥栖戦となればさらに怖い。堅守が戻った鳥栖の守備陣に期待しよう。

鳥栖にとっても前回惨敗した相手。ミスを繰り返し、完敗だった。岸野監督は「史上最悪のゲーム」と評したゲーム。私も断トツで、間違いなくここまでのワーストゲームだと思う。

しかし、今から考えると、あのゲームが鳥栖の転機だった。最悪のゲームをした後、選手たちは互いに思っていることを言い合ったという。これをきっかけにして、課題と言われ続けた「連携」が構築されていくことになる。

今期の鳥栖の特徴として、「不甲斐ない試合をした後のゲームは、非常に強い勝ち方をする」ということがある。負けたことをそのままにせず、それを糧にして次で修正して勝利する。今期の鳥栖の敗戦に、無駄な敗戦はない。

前回の水戸戦から変わった鳥栖の成長した姿を、水戸に見せつける。