千葉ロッテ・渡辺俊介のピッチングをTVで見た。
緩急を自在に操り打者を翻弄するその投球術は、もはや芸術と言っていい。感動的でさえあった。
甲子園を見ても140km/h以上のストレートを投げる高校生も今や珍しくない。各県内でもシード校クラスなら軒並み130km/h台後半は出る。ちなみに経験上、130km/hを越えるとバットに当てることは相当に難しくなる。補球するのも恐いと感じる。
渡辺俊介の速球はMAX125km/h前後。変化球は100km/hを下回る。なのに打者はドン詰まりの凡退を繰り返す。
アンダースロー・制球力・豊富な球種、理由はいくつか考えられるが、とりあえず見ていて「これなら自分もやれたのでは!?」と思った。
渡辺は別段、恵まれた体格をしているわけではない。150km/hの球を投げるわけでもない。
何か手が届く感じがした。
イチローや松井・松坂に夢や憧れを抱く少年は多いだろう。しかしそのうちのほとんどの少年には、素質・才能・体力、そういういかんともしがたい先天的な要素の欠乏を自覚する日がくる。努力では埋められない確かな溝を目の当たりにする日がきてしまう。
でもだからこそプロ野球の第一線で活躍する選手に憧れのだろうけど。
ボクもそんな少年のひとりだった。
渡辺俊介は超人ではない。先天的な能力に恵まれたわけではない。しかし、プロのマウンドに立っている。
前出のスーパースター達とは違う意味で、きっと野球少年たちの励みになっている。