1人の人間が一生のうちに使う医療費。

日本では、その約70%が死ぬ直前の2ヶ月間で使われるという(障害者や難病の患者は除いて)。延命などに注ぎ込まれる濃厚医療の費用だ。


現在の国家予算は年間約84兆円。そのうちの33兆円が医療費で、さらにその30%強にあたる12兆円が老人医療費となっている。医療費は1990年以降経済成長率を上回るペースで増え続けており、後期高齢者の人数が最大になる2030年には70兆円を超え、老人医療費は50%以上になるだろうという見込みが立っている。


介護保険制度を導入したり、診療保険点数を削減したり、自己負担率を上げたりなど、国もいくつかの打開策を実施してきたが、猛烈な勢いで進む少子高齢化とそれにともなう医療費の増大には、なかなか歯止めがかけられない現状だ。


やはり、安楽死を合法化するしかないかなぁ?

日本尊厳死協会の発表では、約2000施設・3000人(患者と職員)に対するアンケートで、「安楽死・尊厳死に賛成ですか?またはその必要性を感じますか?」という問に、なんと78%の人が「YES」と回答したという。

どの程度信頼のおける調査なのか疑う余地はあるものの、潜在的な需要があることはまちがいなさそうだ。


宗教のない日本という国の人々は、何を根拠にどういった死生観を持つべきか?それを問われる日が、もうすぐそこまで近づいているように思えてならない。