今年もイチゴ狩りの季節がやってきた。地元の親友たちと向かったのは「鴻巣ストロベリーフィールズ」。なんともメルヘンチックなネーミングに夢が膨らむ。
車を走らせると、見えてきたのは畑と雑木に囲まれたリアルなビニールハウス。
受け付けのオッサンは病的なまでに痩せており、イチゴのフレッシュさとは対極的な風体であった。肺病か。楳図かずお似のルックスが胡散臭さに拍車をかけ、「ストロベリーフィールズ」の響きから想起される甘いイメージは音を立てて崩れ去った。
制限時間60分の一本勝負。よっしゃ食ったるでと気合いを入れた。
ヨックンは「250個食う」と意気込んでいたが、実際にはせいぜい20個程度に終わっていた。「そんなに食えるもんじゃないね」は、全員に共通した感想であった。ちなみにヨックンは近視矯正
の手術を受けていた。術後の経過はすこぶる快調のようだ。
ハウスの中は想像以上に暑く、矢部ちゃんは終始オデコから矢部汁をタレ流しつつ、器用にヘタを取っていた。
哲はイチゴだけでなくアイスやジュースなどにも精力的に手を伸ばし、開始30分の段階でハウス入室前よりもムクムクと太りはじめていた。たいしたヤツだ。
竜自は本当にいいパパっぷりを発揮していた。甘くて美味しそうなイチゴを狩っては、愛妻と愛娘の待つ路肩に舞い戻って分け与える。動物の原点を見るような光景だ。ただひとつ残念なのは、竜自は著しくハナちゃんに嫌われているという点だ。なぜあのあふれる愛は伝わらないのか…。
寛大は昨年とは
比較にならないほどイチゴにがっついていた。ものすごいペースでたいらげていったが、さすがに10個を越えたくらいからペースダウン。1歳児よ、当然だ。