寛大が産まれたとき、後輩 からオルゴール付きのぬいぐるみをもらった。
後ろの小さなアヒルを引っ張ると、「星に願いを」のメロディが流れるとともに、親アヒルを追いかけるよう小さなアヒルがヨチヨチ歩く。ぬいぐるみはかわいいし、優しい音色の「星に願いを」もいい感じだ。
昨日久しぶりに寛大に聞かせてやった妻が、「寛大このオルゴール聞くと泣くのよ」と言う。
まさかと思って試してみた。
すると、本当に寛大は泣き出した。
しかも音楽を聞き入るように小さなアヒルを見つめ、だんだん悲しげな表情になって、ポロポロと涙を流すのだ。
これには驚いた。
「星に願いを」という曲には、赤ん坊の純粋な心に染み入り、悲しいという感情を作り出す力があるのだろうか?
そして寛大には、「音楽を聴いて涙を流す」という感受性がすでに備わっているのだろうか?
時間というふるいにかけられてなお現在にも残る洗練されたメロディと、まだ何の洗練もされていない純真無垢な赤ん坊の精神は、汚れた大人には触れられない清らかな領域で、共鳴しあえるのかもしれない。
あらためて、ステキな贈り物をありがとう。