「ネコふんじゃった」という歌がある。

最近我が家では息子が毎日狂ったようにリピートして聴いている。
メロディラインはあまりにも有名だが、みなさんこの歌の歌詞はご存知だろうか?

最近その全文を知ったボクは、内容のあまりのヒドさに驚愕した。とんでもないストーリーである。

歌詞はこうだ。


ネコ踏んじゃった ネコ踏んじゃった

ネコ踏んずけちゃったらひっかいた

ネコひっかいた ネコひっかいた

ネコびっくりしてひっかいた
悪いネコめ 爪を切れ

屋根を降りて ヒゲを剃れ

ネコにゃーご にゃーご ネコかぶり

ネコなで声で あまえてる
ネコごめんなさい ネコごめんなさい

ネコ脅かしちゃってごめんなさい
ネコ寄っといで ネコ寄っといで

ネコかつぶしやるから寄っといで

まずネコ踏んじゃったヒト側に非のある事故であることを語っているにも関わらず、報復を受けた途端に悪いネコめと一方的にネコの行為を非難し始める。原因は自分にあるという事実を忘れたのか?びっくりしたネコにしてみれば正当防衛である。
しかも腹いせの一言では爪を切れにとどまらず、あろうことかヒゲを剃れとまで命じる始末。ヒゲは関係ないだろう。こんな不条理が許されてはならない。動物相手とはいえ無茶を言うのも大概にしてもらいたい。
しかもヒゲを切れではなく剃れだから恐ろしい。根こそぎいったるで、という姿勢。背筋が寒くなるくだりだ。

もし爪を切れではなく爪を抜けだったら、もはやこの歌はR指定である。

そして、ネコかぶりネコなで声甘えてるなどとネコの態度に対してマイナスの評価をしたその矢先、手の平を返したように突如ネコごめんなさいとくる。この急激なシフトチェンジは一体なんのつもりか?大きすぎる感情の振れ幅。精神に破綻があるとしか思えない。しかも脅かしちゃってって・・・。アンタ脅かしただけじゃないだろう。踏んずけるという実害を間違いなく加えたはずだ。

そして挙句にかつぶしやるから寄っといでである。誰がもらうかバカヤロウ。確かにかつぶしは非常に魅力的だが、ここで正義を曲げるわけにはいかない。ボクがネコなら断固として断わる所存だ。

しかしこの歌は一体何を子供たちに伝えようとしているのだろうか?この歌詞に何らかの教訓が含まれているとするなら、それは、ネコは踏まないようにしましょうという一点のみだ。あとは分裂気質の傲慢な人間が見せる動物虐待未遂物語が繰り広げられているだけである。むしろ幼児のピュアなマインドに悪影響を与えかねない。


息子の歌本によると、作詞は「飯田寛夫」とある。その真意を尋ねてみたいものだ。