~ 最終日 ~


【29日目】 2005年3月14日 (カンクン → 東京)



深夜の街を歩いていた。


サルサが頭の中を回り続けている。






フライトの時刻は朝の7時。


5時過ぎには空港に到着してチェックインを済ませておかなくてはいけないので、

最後の日はホテルには宿泊せずに、夜通し遊んでいた。



荷物だけは泊まっていたユース・ホステルに預けてあったので、

いったんホステルへ戻る。



すると、深夜3時だというのに、

何人かがホステルの前でビールを飲んで話している。


カンクンは旅の入り口ポイントとしての、

また、出口ポイントとしての都市なので、

俺と同じように帰国便までの時間を待つ者たちがたまっていた。



俺もコロナを飲みながら話をして時間をつぶす。


かれこれ8時間以上は飲み続けているだろう。

ひどく酔っ払っていた。




空港へ向かうタクシーに乗り込んだとき

アルコールと旅の終了を告げるなんともいえない寂しさが重なって

頭がポーとフワフワしていた。



相変わらずサルサが頭の中をグルグルを周り続ける中、

まだ暗い空港へ到着する。


だいぶ酔っ払っていて、

鼻歌を歌っていたのを覚えている。


出国チェックの時に審査官に怪しまれ、

バッグの中を全部見せたのを覚えている。


審査官に向かって、

「おう、探しても何にも出ないぜ! 服も脱いでやろうか?」

って笑って冗談を言ったのを覚えている。



タチが悪い。



















♪ ピンポンパンポン



・・・■×○△♪ ●#$

   ж☆ MITSURU HARADA #□?ё ・・・




ムニャムニャ・・・





♪ ピンポンパンポン


・・・■×○△♪ ●#$

   ж☆ MITSURU HARADA #□?ё ・・・










うわっ、やっべ!!


完全に寝てた!!


ソファで寝てしまって、離陸時間を過ぎていたのである。


俺がダッシュで機内に乗り込むと、

すぐさま飛行機は飛び立った。


ギリセーフ・・・。


最後の最後でミスったらどうしようもなかった。






案の定、機内では爆酔を。









ただひとつ、

Jesus と不本意な形で別れてしまったのが心残りだった。


日本へ帰ってからメールをしたのだが、

RUIDOという店の前で30分間俺のことを待っていてくれたようだった。


待っても来ないので、帰ってしまったらしい。


あと10分早く待ち合わせ場所に向かっていれば

旅の有終の美を飾れたのに・・・









日本の寒さで現実に引き戻されたことに気づく。



成田からの京成線で見た観光客らしき外人たちは、

日本がどう映っているのだろうか・・・

帰国するといつもそんな事を考える。



旅の出会いと幸運に感謝を。



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旅から1年近くの時間がたってしまったので、

書きたいことがうまく書けなかった。


どうしても事実と出来事ばかりの

つまらない旅記になってしまった。



近くに、そこから考えた事について、旅から吸収できた雑感について

書きたいと思う。


2006年3月18日