※長いので気をつけてください。

 写真が多くて重かったらすみません。



【23日目】 2005年3月08日 (キーカーカーにて)


入国時のビザ・トラブルの影響で、

正直お金の工面が大変だ。

旅の終盤に来て、節約生活に逆戻りだ。


キーカーカーには行きたいが、

ビーチリゾートはお金がかかりそうだし、

どうしよう。。。



というときに、

昨晩出会った日本人から


「ATMで金おろせば?」


という助言を受け、


「それもそうか・・・」


と納得する。



いままでの旅行中、

T/Cやカードといった決済手段・資金調達法を使わないようにしていた。


理由は、

1. めんどくさそう・不便そう・使える場所が少なそう

2. 利子とか手数料で高くつく

3. やり方や仕組みがよくわかっていない


つまり、現金主義だったのだ。

いつもキャシュを4ヶ所に分けて、持ち歩いていた。


完全に文明に追いつけていないだけだった。



ということで、早起きをしてATMまで歩き、

初めて海外でATMを使う。


昨日はゴーストタウンだった街で、

普通にお金を引き出せた。


これはかなりショッキングだった。

こんなマニアックな国でも、

カード1つで自由にお金を引き出せるんだから。

当たり前っちゃ当たり前・・・?



っしゃ!これで50ドルを調達。

心置きなく、旅行を続けられる。






キーカーカー行きのボートが

朝7時にあると聞いていたが、ない。


早起きした意味が全くなし。。。



中国人が経営しているコンビニでコーラを買う。

華僑はよく働くなー。

ベリーズに来てから中国人の店しか利用してないぞ。

世界に華僑がたくさんいるのは、

一生懸命働いてるからなんだね、きっと。



屋台では久しぶりにタコスを頂く。




ボートの出航時間の前になり、宿を出てボートターミナルへ行くと、

ちょうど出発するところだった。

どうやら、タイムテーブルに関係なく、

人が集まれば船は出るらしい。


待った甲斐なし。



それにしてもボートでカリブ海を渡るなんてロマンがある。

観光客と地元民を詰め込んだ満員のボートは

1時間ほどでキーカーカーに到着する。



白い砂浜が眼前に飛び込む。

これこそ絵に書いたような南国の島。

(※『キー』とは『サンゴでできた島』を表す)


キーカーカーへようこそ


島全体がビーチ。

キレイな海。

白い砂浜。



シティーとは明らかに違い、

平和でのどかな雰囲気も感じとれる。


白いビーチサイド


そんなにおったんかぃ!

ってぐらい、観光客と遭遇する。


ホテルも以外としっかりしていて、10ドル弱なので、

中米としては物価が高いが、

ビーチリゾートとしては隠れ家的な安さだ。




宿を出て歩いていると、

さっそくラスタマンに出会う。

その男は見事にラスタカラーで彩られた自転車に乗って

ふらふらっと、クルーズ・ツアーの客引きをしていた。

(こいつが、昨日の日本人が言ってたレゲエのおっさん達の船だな・・・?)



ボビー


↓ラスタカラーの自転車

ラスタ自転車


俺の中でのボブ・マーリーのイメージとそっくりなこの長老の名前は、

まさにボブという名前で、

島の住民みんなからボビーと呼ばれ、愛されている。

キーカーカーにいる間中、

ボビーにずっとお世話になるとはこのとき、微塵も思っていなかった。


んで、

そのボビーの船でクルーズに出かけることになった。

しかも、すぐに出発だ!


ヤンチャな展開だなーもう。



すぐ出発とはいいながら、ここはラテンノリの国。

約束はすぐに裏切られる。


なかなか人が集らないらしく、

ボートの前で店員になるまでしばらく待つ。



30分ほど待った後、全員集合


↓スティーブ船長が舵をとり、サンゴが密集する海へ向かう。

スティーブ船長


そんな中、

当然のごとく、スティーブ船長から酒などがどんどん回ってきて、

みんなで酔っ払う。



こんなにキレイな海は初めてだ。

これほど様々な色を持った海は他にそうないだろう。


それもそのはず、

この地帯は世界で第2位、北半球で最大のサンゴ礁なのだから。

もうちょっといけば、マナティーも見られる。


<宝石のような海1>

宝石のような海1

(↑海の色が場所によって全然違う。

 途中、サンゴのせいで波ができている。)


<宝石のような海2>

宝石のような海2


<宝石のような海3>

宝石のような海3


<ボート上から>

la vista de la lancha


それに加え、

酒の力が更に奇跡的な色彩感覚に陥らせる。



ここは天国か?




シュノーケリングを楽しんで、

非現実的な世界を楽しむ。


エイと一緒に泳いだり、

手を伸ばせばすぐに手が届きそうな魚たちと戯れる。




スティーブが手をたたいて、


「少し遠いところに、すごいビューティフルなエリアがあるんだ!

 みんな、もしよかったら一緒に泳いで行かないか?

 サンゴを傷つけちゃうからボートではいけないんだ。     」



さらに付け加えて、


「ひとつ言っておくが、誰か溺れても助けられないからな」




最後の言葉が気になりつつも、

みんな行くようだし、

何よりも更に素晴らしいエリアがあるなら行かない手はなかった。



みんなが固まって泳ぎ出したとはいっても、

海の中は孤独そのもの。


少し焦れば、

パニック状態になるのは言うまでもない。



振り返ると、ボートはだいぶ小さくなっており、

50メートル以上は泳いでいるようだった。


そんなとき、

シュノーケルから水を吸い込むようになってきた。


足がつるようになってきた。



さらに、酔っ払っているのがよくなかった。


酔いは感情を強調する。


焦れば焦るほど、

息が苦しくなって、うまく泳げない。



(・・・ヤバイ)


いまから引き返したら

オレ一人で帰ることになる。


本気で誰も助けてくれないじゃんか・・・




スティーブは先頭をきって、

まだまだ先を目指している。








引き返そう。



心に決めて、

自分に落ち着くように言い聞かせた。



ここは地獄か?


さっきまで天国だと思っていた海が一気に地獄に変わる。



死への恐怖。

いま、ヘタをすれば間違いなく死ぬ。



昔から、水の中や狭いところではパニックになりやすい性格だった。



ゆっくり、ゆっくり泳いで気持ちをプラスにもっていく。









船が近づいてくる。


やっとの思いで、

船に手をかけることができた。



この時のことを思うと、

いまでも生きた心地がしない。


何か困難があっても、

あのとき生かされたのだから、

何も怖いものはない、って気になる。




シュノーケリングは

ダイビングと違って安全な娯楽と考えられがちだが、

十分に気をつけた方がいい。


ビビリって言ったらそれまでだが、

オレは懲りた。



ってか、サメもいた。




みんなが船に戻ってきた後、

また違うポイントへ行き、

ゆっくりと海を眺める。


どの方向を向いても

この海は違う色をもっており、

船の上からだと、本当にこの世のものではないような輝きだ。








無事に陸に到着し、

ホテルに戻る。


シャワーをした後、ハンモッキングをして、

生きていることに感謝をしながら昼寝をする。



夜メシは近くのレストランで済ますが、

バックパッカー生活の中で、一番値段が高かった気がする。



夜でも安心なこの島の道を歩いていると、

ボビーに再会する。


ボビーの家に招待してもらい、

暖かく迎えてもらう。


↓ボビー家

Bobby's house


そこには、

船長スティーブやラスタマンのその他の仲間達、

それからボビーの奥さん、息子がいた。


ボビーの奥さんはアメリカ人で至極美人だった。

昔にキーカーカーへ観光に来た際に、

ボビーにナンパをされて付き合って結婚したのだそうな。


Bobby's couple


この夫婦は

オノヨーコとジョンレノンのように仲がよい。


奥さんが晩ゴハンを振舞ってくれるということで、

これなら高いレストランで食べなければよかった、と後悔する。



またもや強い酒をノリで豪快に飲まされ、

急に体の調子がおかしくなる。


ヘンなもんでも入ってるんじゃないか、って思ったが、

どうやら自分がいけないらしい。


腹痛、悪寒、頭痛などが一気に襲ってきて、

ボビー家のトイレから出られなくなる。



ついにはしっかりと立てなくなり、

トイレから出ても、床でぐったりしてしまう。


いまラスタマンたちに襲われたら、

何も抵抗できないな、と思いながら心から回復を祈る。


ラスタマンは温情深い民族なので、

金をせびってくることはなく、

むしろバカな日本人を心配してくれた。



奇跡的に回復をし、

ホテルまで自力で帰る。



こうして1日で2度も死にそうな経験をして

深く反省をしながら爆睡する。