フローレス→ベリーズシティー


【21日目】3月6日 移動日(フローレス → ベリーズ / ベリーズシティー)



今日は出国DAY。


ベリーズという日本人の100人に1人ぐらいしか知らない国へ行く。

これは調査済みだ。

日本へ帰国してから

色んな人にその国の存在について知っているか聞いたが、

誰一人として知る者はいなかった。



どんどんマニアックになっていく。。。



でもそんな自分が好きだ。

そんなマニアックな国にドキドキする。







移動するにも2パターンあると思う。



1.旅行者用のシャトルバスを使う


バックパッカーがシャトルバスに詰め込まれて、

直線的に次の都市へ運ばれる。

煩雑なことはほぼ何もなく、便利で意外と割安。

バスといってもワゴン車が多い。

情報を交換できたりもするので、何といっても安心。



2.自分でローカルバスを乗り継いで行く


地元民のように完全にローカル線を乗りこなしたら安い。

目的地に到着できる保障はない。

右往左往する。

見える景色がローカルで素晴らしい。

到着したときの達成感といったらない。

たいてい問題が起こるので結果的に意外と高くつく。




という2パターンあると思うが、

最近は楽をしすぎていたので、

後者のローカルバスを乗り継ぐ手段で行こうかと思う。


そういえば、俺は旅行ではなくて旅がしたかったんだ、と・・・



しかし、

いきなり寝坊した!


もともと全く時間が読めないので

夜までに到着できるかも心配だったのに、

幸先が悪いスタートだ。



それでもなんとか朝食を摂り、

強い日差しが照りつける中、バッグを背負って出発。



バスターミナルが見つからない。


いくつかバス会社があるようで、

目的のバス会社のターミナルが見つからない。


違う会社で尋ねてみる。


「○○会社のターミナルはどこですか?」


「ここは○○だ。その会社のことは知らん。

 自分で探せよ。」





・・・ヌォォォォォォーーー



猛烈にムカつく。

器のちっちゃい奴らだ。ケチ!


器のちっさいケチな人間が

暖かくて優しい人間と同じぐらいいるんだよ、この国は。


スペイン語学校で教えてもらったスラングを吐き捨てる。



やっと目的のターミナルに到着するも、

ベリーズ国境行きのバスは直前に発車をしてしまった、

ということだった。



「すぐ次が来るから!」


なんて言われたので、

ホコリっぽい“そこ”でずっと待つ。


ひたすら待つ。


熱い。

ホコリっぽい。

色んな人がこっちを見てくる。(自意識過剰気味!?)




・・・頭がクラクラしてきた。


フローレスにはあれだけ旅行者がいたのに、

このターミナルでは一人も見かけない。



・・・・・・・・・・

1時間経過

・・・・・・・・・・



バスが来たらしい。

といってもやっぱりワゴンだ。


・・・・ってか、すぐ来るって言ってだじゃねぇかー!

ま、もともと期待してないけど。


そのワゴンに25人ほどギュウギュウに押し込まれ

出発進攻!


救いは、

ティカル遺跡で会ったイングランド人女性旅行者2人組みが

最後の最後でワゴンに乗ってきたことだった。


それにしても、子どもがいるとは言え、

荷物も多いこの人数がワゴンによく入ったもんだ。

だって、3Dで乗ってるんだぜ。

つまり、横にも縦にもスペースはないんだ。



ま、安いからしょうがないか。



そんなワゴンは猛スピードで飛ばす。

30cmぐらいしか離れていない隣の子どもは

じっとこっちを見てくる。


でも、見える風景、窓から入ってくる風、人間臭さが心地いい。




国境に到着。

ベリーズ国境



ベリーズは何かと金のかかる国だって聞いていた。

海に興味がないのなら行かない方がいいって言われていた。


ロンリープラネットで事前にビザ代が25ドルだと調べていた。


しかし、国境の役人が言うには50ドル!


なんだぁそれ?ダマされてるのか?

ふざけんじゃねぇ、と激しく抗議。


大抵、今まではダダをこねれば音沙汰なしに通してくれた。

しかし、手ごわい。


「今年の1月か値上がりしたんだよ!」

「もしイヤなら日本の大使館なりに行って確かめろ!」



なかなか向こうも強気で迫る。

正直ベリーズは行けなくてもいいか、と思った。


でも、どうせここを通過しないと

帰国フライトのカンクンまでは行きづらくなる。



・・・・・・

葛藤

・・・・・・


そんな中、国境の役人が


「奥の事務室に来い!」


といって変な部屋へ連行される。



ヤバいな。

賄賂でも請求されるかな。

殴られるかな。



色んなことが頭をよぎる。


しかし、

パスポートを見られて色々と質問を受けるぐらいで済んだ。

出国カードもチェックされた。

こんなにチェックされたのは初めてだった。



結局50ドル支払う。

あとから聞いた話では、

本当に国全体が増税しているらしい。




そうして、ネバっていたために、

イングランド人の女たちは先に行ってしまっていて、

タクシーをシェアすることができない。



タクシーで10分ほど走って、

バスが走っている町へたどり着く。



またまた、

バスは発車したばかり、ということだった。


ほんとについてない、

というか、

全て自分に過失があって発生した不運。

・・・寝坊、粘り



国境でゴダゴダしていたのを悔やむ。


自分的お金計画からすると、

50ドルは結構痛く、

今後が不安で昼メシもロクに食べられない。




やっとのこと、バスが来てベルモパンに到着。

首都なのに人口8000人のめっちゃ小さい村。

人気もない。


というのも、

首都にはなっているものの、

ここはメインシティーではないらしい。


次の都市へ急ぎたかったが、

目的としていた町への終バスを逃したことを知る・・・


今日はタイミングがいつも一歩遅い。



そんなこんなで目的地を変更。

実質的な首都の、『ベリーズシティー』へ行く。



っとその前に、

腹が減りすぎてので、時間までメシだ。


町全体が閉鎖されたような雰囲気の中、

一軒だけ見つけた店があった。


そこはチャイニーズ系のファーストフード店だった。


暗い店内で、

ケンタッキーフライドチキンのようなチキンを食べて腹を膨らます。


見かけるのはみんな浮浪者だ。



なんか、この国は不思議だよ。


黒人が多くて、このあたりには珍しく英語圏なんだ。

だけど、ラテン民族も多くて、スペイン語もよく聞こえてくる。

中国人もやけに多いんだ。


バスから見える風景は

「北海道のような大地+ヤシの木。

 バスケットコート+レゲエ。     」


ほんと謎の国だよ。

別世界に迷い込んだみたいだ。


バスの中では、

後ろに座っていた黒人系ネエちゃんたちが、

一つのウォークマンをお互い内側の耳に1個ずつつけて

歌を大熱唱してるんだ。



レゲエの格好をしたガリファナ系ニイちゃんが

ラジカセを持ってノリノリで乗車してくるんだ。


右側に座っていたインディオ系おばあちゃんは、

鳥かごをもって座っていて、

スペイン語で鳥と何か会話してるんだ。



陽気なんだか、

でも治安が悪いんだかよくわかんないよ。




ベリーズシティーに到着する頃には、

もう日が暮れていた。


ターミナルからホテルまではタクシーに乗ればいいものを、

ビザ代にショックを受けすぎていて

ケチって徒歩の選択を選ぶ。


こんな危険な夜の街を徒歩なんて

今考えただけでもゾッとする。



ほとんどの家、ほとんどの店が閉まっている。

見かけるのは黒人の浮浪者ばかり。


暗い街。



やっとの事で到着したホテルは

なんと去年火事で焼けてしまったらしい。


せっかく安心できるかと思ったらダメだ。


また歩く。


辛うじて到着した2軒目に落ち着く。



宿主のおばちゃんからも、

夜の街は危ないから出歩かないように忠告を受ける。


すぐ隣にあるチャイニーズレストランで

ペコペコのお腹を満たす。


やっぱり世界に中華あり!


ほんとに助かる。

日本人にとって第二の味だろう。

漢字のメニューだから何が出てくるかほぼ読める。

そして、味は基本的に間違いない。


店主も日本人をみると、

同じ東洋人なので、少し見方っぽい感じを出してくる。


久しぶりに落ち着いた気持ちになる。

ベリカンという水っぽいビールを飲んですぐ寝る。



今日は色々と問題もあったが、

行ける所まで行こうと思っていた中で

よくここまで無事にたどり着くことができた。


ここはカリブ海沿岸の街。

明日はカリブ海をじっくり望もう。