~ 前回の続編 ~


【14日目】2月27日 (グアテマラ / アンティグアにて)


ラテン系の国では「シエスタ」という時間があり、


だいたい14時 - 16時の間はコーヒーを飲んだり読書したりする昼休みがある。


働いている人だって、シエスタには家へ帰ってきて昼寝をすることもあるし、


中には酒を飲みだす者もいるらしい。


最近は、それでは国としての生産力があがらないと、


スペインなどではシエスタ廃止の方向にあるようだが・・・




ここグアテマラでも、シエスタの時間はレストランに人が集まり、


公園では新聞を読んだり、昼寝をしている人をたくさん見かけた。


とにかく、人の数が増えて賑わいを見せるのだ。




そんな時間に、自分も屋台で昼メシを買って


公園の芝生に座ってメシに食らいつく。


野良犬はおこぼれを頂戴しようと、こちらへ熱い視線を送ってくる。


犬に睨まれながらも、俺はくれてやるものか、と


そっぽを向くので、犬との緊張の糸は張り詰めるばかり。



根負けしたオレは、


「わかったよ、これでいいんだろ!?」


と言わんばかりに・・・・・





肉の骨を犬に投げつける。


調子にのった犬は、さらにおねだりをし・・・・






ってそんなことはどうでも良くて、


ローカルな住民と同じ目線の位置になって


見る世界はまた新しいものがある。


地元の人が何を話し、どこへ向かっているのか、


身分の階層は?


など、少しずつ見えてくるものがある。



そして、またもや感じてしまうのは


自分たちの常識・好みを持ち込みすぎて、


図々しく、無神経になりがちの観光客。


風景の邪魔になる。


でも、自分もその観光客の一人なんだってすぐに気づく。





そういえば、


子供のボレロ(靴磨き職人)にもお世話になった。


靴磨き職人って、日本ではほとんど見かけないが、


海外にはたくさんいて、すごく風景にマッチしているので、好きだった。


いつか磨いてもらいたいな、って思いながらも、


自分から行く勇気がなかった。



公園で噴水を見ていたとき、


ふと10歳ぐらいの少年が、


「やるか?」


みたいな事言ってきたので、


「た、たのむ」


みたいな返しをして足を差し出した。



オレは少年の素早いシゴトに関心しながら、


じっと見ていた。


世間話でもするのが通例だが、


日本ではまだまだ甘えているガキの年頃の少年のシゴトっぷりに


何も言葉が出ない。


写真を撮りたかったが、


そんな気にもなれないぐらいの慣れた手つきに見とれて


一瞬で時は過ぎ、


靴はピカピカに。


サパトス


できばえは素晴らしく、


なぜ靴磨きの需要がこんなにあるのか、というそれまでの疑問は一気に解けた。

(日本にも、もっと増えるべきです)



少年は両足分、2ケツァルをもらうと、さっさと次の客を探しにいった。



↓違う都市ですが、ボレロの仕事風景

ボレロ グアテ



時間がたつのはとても早い。


夕方になると、スペイン語学校へ向かう。


学校で一緒だった唯一の日本人、カズミさんから


「夜に食事を振舞うからよかったら来なよ!」


と呼ばれていたのだった。


カズミさんは旅行会社のガイドさんらしく、


これからシゴトでスペイン語を使うので、アンティグアには


スペイン語を習うために来ている、ということだった。


そういうわけで、料理を作ったりして、普通に生活している。


学校には、


Juanというオレをこの学校に勧誘してきた客引きの男がいた。


Juanは昨日、誕生日だったらしく、酔っ払っていた。


ご飯ができるまで、Juanと話していると


なぜか意気投合して、地元のBarに連れて行かれた。


そこでは、VENADOというアルコール度数37%の


刺激の強い酒を頼み、コーラで割るという


なかなか乙な(通な)オーダーをして、2瓶グイグイと呑む。


またそこでかじるライムがうまい。


それでいて、合計17ケツァル(2ドル程度)で済む。


西部劇に出てきそうなこんな古びたBarに行けるのは、


溶け込めた度アップで、すごく嬉しい。



学校にもどり、カズミさんの手料理をご馳走になる。


↓そのときの風景

スペイン語アカデミーの皆さん



またも、JuanとBarへ。


今度もいかにもローカルな雰囲気のイカしたBar。


今度のところは、夕方の場所と違い、酔っ払った地元民がたくさん集っていて


危ない雰囲気を察知。


なぜか、日本人のオレを、見るなり空手のマエストロ(師範)と呼び出し、


尊敬される。



「カンフー、カンフー、カラーテ!」


とわけのわからない言葉が飛び交う酒場。



「カラテとカンフーは違うから。。。」


と言っても彼らにはわからない。



面倒くさくなった俺は、


またVENUDOをかっくらい、


「ああ、オレはカラテのマエストロだ」


と大きく出る。

(空手マスターならこのヤバイ雰囲気でも襲われないだろうし・・・・)



「おお、やはりそうか、ぜひ技を見せてくれ!!」


と言ってくるので、


一瞬やばいな、とヒヤヒヤするも、開き直って



「しょうがないな、まずは深呼吸が大事なんだ」


とハッタリかまして、腰を深く落とす。


そして、



「ウォリャ!!」


と正拳突きを披露。




・・・・・・・・・





沈黙。。チン


全然ダメだったらしく、


軽く苦笑いされました。



なんでそんなにカラテ、カンフーって言うのかと思ったら、


店のマスターが


ブルース・リーの映画のビデオを出してきて、


「これこれ、今良く見てるんだよ」


って言いやがる。



それ完全にカンフーですし。。。


とくかく、世界のブルース・リーよ、彼は凄し。



せめて空手の型でもできたら


世界中で人気者になれるし、相手をびびらす護身にもなるので、


みなさん、世界へ行く前には空手を習いましょう!



Juanは結局酔いつぶれて


オレが肩を貸してようやく帰った。



※夕方はおごってもらったが、夜は俺持ち。

  おごりおごられの精神なので、割り勘の概念はありません。


そんな夜は刻々と更ける。