天災 | 旅ノカケラ

旅ノカケラ

@人生は先がわからないから、面白い。
@そして、人生は旅のようなもの。
@今日もボクは迷子になる。

ある日、水平線より深く沈んでいたぼくに大波がやってきた


ふつうなら、波に巻き込まれないように逃げるか、どこか非難しようと考える


ぼくは慌てず焦らず両手を広げ波を受け止めた


流れに逆らわず波に任せて身をゆだねる


嵐を伴った流れは早く


あっという間にぼくがいた場所から遥か遠に流されてしまった


一瞬の出来事だ


自分から泳いで岸へ這い上がることも出来ただろう


ふわふわした浮遊感がここちよくて


泳ぐことを辞めてしまった


このまま流されてしまえばいい


波に巻き込まれながら流されていけば


きっと大きな海へとたどり着けたはずだった


ところが、嵐が去り


気がつけばゴロゴロした石の上に身を横たえている


しばらく仰向けになって天を見上げていよう


やがて雨が降って頬を濡らすだろう