「日曜の夜は出たくない」 倉知淳
「猫丸先輩」という名前はあちらこちらで見かけていたけれど、実は初めて読む倉知淳さん。
TRICK+TRAPでの幸せな偶然
により、サイン入りという嬉しい1冊目です。
倉知 淳
日曜の夜は出たくない
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神出鬼没の破天荒なキャラクター“猫丸先輩”が登場する、痛快無比のデビュー作品集本格、ハードボイルド風、怪談調、シリアスタッチあり、スラプスティックあり、の7編を収録。この本を手にする貴方に幸あれ!
収録作品「空中散歩者の最期」「約束」「海に棲む河童」「一六三人の目撃者」「寄生虫館の殺人」「生首幽霊」「日曜の夜は出たくない」
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なんといっても猫丸先輩の魅力的なこと!
猫そっくりの目、ふっさりと下ろされた前髪、だぶだぶの黒い上着。
読み進めるうちに、一体どこで猫丸先輩が「お前さん」とか言いながら飄々と現われるかと、ついついドキドキしてしまう。
変わり者なんだけれど、わざとらしくない
どこにでもいそうだけれどもどこにもいない。
さりげない魅力にすっかり虜ですw
江戸っ子口調(落語口調?)の登場人物の掛け合いも心地良い。
サラッとした語り口の中に、温かさとユーモアが感じられて好みです。
なんとなく泡坂妻夫さんを髣髴とさせるのもそのあたりが原因でしょうか?
個々の作品に関しては、謎が小粒だったり、荒い印象を受けるものもありましたが、1冊目の本ということで次に期待。(というか既に「星降り山荘の殺人」読み始めましたw)
私が好きなのは「海に棲む河童」と「寄生虫館の殺人」です。
バラバラで散漫な印象も受けた短編達が、最後の仕掛けで一気に連作としての意味が出てくるのも、遊び心があって楽しませて頂きました。
亜愛一郎シリーズとかが好きな方には特にオススメかも?!
※※※11月23日の購入本※※※
有栖川有栖
「桜川のオフィーリア
」 e-novels