高橋みさ子のブログ

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趣味のウォーキングを通して出逢った町や自然を
写真とともに楽しくご紹介しています。宜しくお願いします。

(備前焼シソ色筒花入 投げ入れ ワレモコウ・リンドウ・ヒマワリ)

 

備前焼のシソ色筒花入に、ワレモコウ・リンドウ・ヒマワリを投げ入れで生けてみました。

 

黄色と青紫は補色関係にありますので、色の対比が鮮やかで色映えがしますね。

 

夏と秋の花材が混在し、夏から秋への過渡期であることを感じさせます。

 

とは言いましても未だ未だ真夏の暑さで、年々秋の到来が遠くなる気がしますが・・・

 

 

(備前焼 シソ色筒花入 22 × 8 cm)

 

花器は備前焼の筒花入で、赤紫蘇のように赤紫に発色したものを備前では「紫蘇(シソ)色」と言い、強還元で焼成するとこの色になる場合があります。

 

備前焼と言えば茶色のイメージですが、青備前、黒備前、白備前など様々な色合いがあり、紫蘇色もその一つです。

 

(写真)備前焼 紫蘇色筒花入 投げ入れ ワレモコウ・リンドウ・ヒマワリ

    2024年9月6日撮影

(備前焼 垂れ耳矢筈口花入 ヨウシュヤマゴボウ)

 

備前焼の矢筈口(やはずぐち)花入にヨウシュヤマゴボウを生けてみました。

 

個性的なヨウシュヤマゴボウは生け花に適した花材ですが、有毒ですので扱いには注意が必要です。

 

 

(備前焼 垂れ耳矢筈口花入)

 

花器は備前焼の矢筈口花入で、耳が垂れ下がっていますので「垂れ耳」と名付けました。

 

 

 

"ころがし" で焼成し、地肌、鮮やかな火色(緋色)、焦げ、大胆なヘラ目、"山道"と呼ばれるウネウネとした横線などに景色が見て取れます。

 

 

 

口縁部はデフォルメされ、生命体のような有機的な躍動感が感じられ、今にもゴソゴソと動き出しそうです。

 

矢筈口花入は備前以外では余り作例がなく、備前では親しみを込めて「矢筈の花入」と呼んでいます。

 

ところで、冒頭にも書きましたようにヨウシュヤマゴボウの扱いには注意が必要です。

 

ヨウシュヤマゴボウは日本中に広く帰化した身近な植物ですが、過去記事「備前焼鶴首花入 ヨウシュヤマゴボウ(有毒植物)・カヤツリグサ」でも取り上げましたように、厚生労働省の「自然毒のリスクプロファイル」にリストアップされている有毒植物で、根が山菜のヤマゴボウに似ているため、誤食による食中毒がしばしば発生しているそうです。

 

根は決して口にしてはいけません。

 

厚生労働省のホームページには「(果実と根を)食べると 腹痛・ 嘔吐・下痢を起こし、ついで延髄に作用し、けいれんを起こして死亡する」と何とも恐ろしいことが書かれています。

 

食用のヤマゴボウは「モリアザミ」というアザミの一種で「ヤマゴボウ」とは別種。 「ヤマゴボウ」の名称に惑わされないようにしましょう。

 

また、ブルーベリーのような実が成り、見た目は美味しそうですが、実にも強い毒性があり、こちらも決して口にしてはいけません。

 

子供さんが実で赤い色水を作る色水遊びをする地域もあるそうですが、色水遊びをした後は石鹸で手をよく洗うようにしましょう。

 

最後に、ヨウシュヤマゴボウを素手で扱うと、手の皮膚が少し痺れたようなヒリヒリした感覚が数時間続きますので、扱う際はゴム手袋やビニール手袋がお勧めです。

 

(写真)備前焼 ころがし垂れ耳矢筈口花入 生け花(投げ入れ) ヨウシュヤマゴボウ

    2024年9月5日撮影

(備前焼鶴首花入 ヨウシュヤマゴボウ・カヤツリグサ )

 

備前焼鶴首花入にヨウシュヤマゴボウとカヤツリグサを生けてみました。

 

どちらも散歩道沿いに生えていた雑草です。

 

 

ヨウシュヤマゴボウ(有毒植物)

 

ヨウシュヤマゴボウは厚生労働省の「自然毒のリスクプロファイル」にもリストアップされている有毒植物で、根が山菜のヤマゴボウに似るため、誤食による食中毒がしばしば報告されているとのこと。

 

厚生労働省のホームページには「(果実と根を)食べると 腹痛・ 嘔吐・下痢を起こし、ついで延髄に作用し、けいれんを起こして死亡する」と何とも恐ろしいことが書かれています。

 

ブルーベリーのような美味しそうな実が成りますが、実にも強い毒性があるので決して口にしてはいけないそうです。

 

また、子供さんは、実で色水遊びをした後は石鹸で手をよく洗うようにしましょう。

 

日本に広く帰化した身近な植物ですから、注意が必要ですね。

 

ちなみに、食用のヤマゴボウは「モリアザミ」というアザミの一種で「ヤマゴボウ」とは別種。 「ヤマゴボウ」の通称に惑わされないようにしましょう。

 

 

(ヨウシュヤマゴボウの花)

 

白い可憐な花を咲かせるヨウシュヤマゴボウですが、花弁に見えるものは萼で、本種に花弁はないそうです。

 

 

(カヤツリグサ )

 

線香花火のように儚げにも見えるカヤツリグサ。

 

こちらも繁殖力が強く、雑草の代表選手の一つですね。

 

(写真)備前焼鶴首花入 ヨウシュヤマゴボウ・カヤツリグサ  2024年8月7日撮影

(参考資料) 厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:ヨウシュヤマゴボウ」

        野田市「ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)(ヤマゴボウ科 ヤマゴボウ属)」

(備前焼 耳付き矢筈口花入 リンドウ・ヤブマオ)

 

備前焼の耳付き矢筈口(やはずぐち)花入にリンドウとヤブマオ(藪苧麻)を生けてみました。


ヤブマオは散歩道沿いに生えていた雑草、リンドウは近所のスーパーで買い求めました。

 

矢筈口花入は存在感のある花入ですので、花入に負けない花材選びに苦心しました。

 

 

 ( 備前焼 耳付き矢筈口花入 21cm × 12cm )

 

花入は胴部に大胆なヘラ目があり  "ころがし" で焼成されたものです。

 

耳が水平に付き、口は矢筈になっています。

 

矢筈口は茶道具の水指など他の窯業地でも作例がありますが、花入はもしかすると殆ど備前でしか作られていないかも知れません。

 

備前では 「矢筈の花入」 と親しみを込めてそう呼んでいます。

 

 

(裏側)

 

花入の裏側です。

 

こちらを表にしたらまた違った景色が味わえますね。

 

(写真) 備前焼耳付矢筈口花入 投げ入れ リンドウ・ヤブマオ 2024年7月26日撮影

(備前焼緋襷花入 ミント・ガクアジサイ ・シダ)

 

備前焼緋襷(ひだすき)花入に ミント、ガクアジサイ 、シダを投げ入れで生けてみました。

 

花材は近在の野山から頂戴しました。

 

ミントは清涼感のある良い香りが漂い、白い小さな花を咲かせています。

 

 

(備前焼緋襷花入 22cm  ×  9cm)

 

華道の投げ入れは、一般的には高さ30cmほどの花入を用いてダイナミックに生けますが、こちらものは高さ22cmと少し小振りですので、身近な花材をお手頃なサイズ感で生けることができます。


 

(緋襷の作例 藁を巻き付けた焼成前の花入)

 

花入は、緋襷(ひだすき)と呼ばれる備前焼の伝統技法を用いて電気窯で焼成されたものです。

 

緋襷は、成形・乾燥という工程を経たのち藁を巻き付け、巻き付けたままの状態で焼成すると、

藁のアルカリ成分と土の鉄分との化学反応で赤茶色に発色します。

 

作品全体を覆うように巻いた場合は、今回の花入のように全体が赤茶色になります。

 

聞いた話しでは「昔は藁は縦に巻くのが相場」だったそうですが、現在は縦にも横にも斜めにも自由に巻かれ、緋襷の多様な "景色" が生み出されています。

 

備前焼は釉薬を使わない焼き物ですので、窯詰めの自由度が高く、器を重ねて焼くことも、横倒しにして焼くことも出来ますが、ときどき器同士が焼き着いてしまいます。

 

備前焼で藁が用いらるようになった元々の目的は、発色のためではなく、藁で器と器の間に隙間を作り癒着を防ぐためだったとのことです。

 

(写真)備前焼緋襷花入 投げ入れ ミント・ガクアジサイ ・シダ 

    2024年6月24日、29日撮影