宿 に向かう途中、椿寺 へと続く長い階段が目に入る。
椿寺

祖母が先月、亡くなったばかりで49日も過ぎておらず、

神社仏閣が大好きなミラーカとしては悩むところ。


母にそんな話をすると

「おばあちゃん、そんなことで怒らないよ」という。


…確かに、祖母はそんなことで怒らない。

私も別にあまり気にしない。

(生き神様の美輪明宏教だしね!)


なかなか来れる機会もないしねぇ。と、

早起きをして、長い階段を昇る決意を固める。




…。



ホントに長い…。


写真の階段を昇ると、

直線コースの先に、また同じほどの長い階段が続く。


計200段ほど。

そのまた先に道なりにすすみ、また階段…。
椿寺1

やっとの思いで寺に到着。

上着はすでに手荷物になり、12月にTシャツ一枚。
椿寺2

あぁ~~。でも、やっぱり来て良かった。

山頂から見る湯河原の町。

朝焼けも紅葉も美しい。

椿寺3
一息ついて、町並みを一人で眺めていると

友人と昔、喫茶店でした話を思い出す。


「このストローもさ…。誰かが作ったんだよね。」


ふと思い出したように彼女が一言いう。
椿寺4

人は一人では生きられない。

今、着ている服を作ってくれた人、

食べている野菜を作った人、

それを運んだ人、売ってくれたお店の人…。

椿寺5

ある芸術家がいるとしよう。

彼が絵を描いているとする。

その絵の具、筆、キャンバス。

それぞれを作る人がいて、それを評価する人がいて、

応援して、好きで買ってくれる人、流通してくれる人がいる。

椿寺6

音楽家なら、その譜面、楽器、備品にいたるパーツ類、

ネジ一本であっても必要があって付いている。

ストローの袋を作る人は日々の仕事に感謝し、

感動する、一生忘れない思い出深い品物を作ろうとして

毎日、働いているわけではないかもしれない。
椿寺7

しかし、作ってくれる人がいるから、

コンビニで「ストロー下さい」と言って、無料で貰って、

ほこりで汚れていない綺麗なストローを使うことが出来る。
椿寺9

なにごとも無駄はない。

必要があるから、あなたの仕事はあって、対価が払われている。

仕事に虚しさを感じたとき、

そんなことを、ふと思い出してみるといいかもしれない。
椿寺8

-余談-


椿寺 のHPには椿が美しい、というのと

ペットの霊を祀る動物愛護廟があると書いてあるが

階段でへばらずに境内を歩きまわると

とある場所に↑のような、なんだかとても呪いのかかりそうな

白い布が巻きつけてあるお社がポツリとありました。





よく見ると「縁結び観音」の文字。


ハンカチやリボンは風化して白くなっていた。


あまり参拝する人がいない小さなお社のよう。


「だろ。冴えない神社だって一応神様は神様なんだから、一人分くらいご利益を持ってんじゃないのか。」


昨晩、露天風呂で、ちょうど読んだばかりの本の一節を思い出した。

阿刀田 高
やさしい関係

2006/12/3


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