GONG格闘技2012年10月号
宮田和幸(シドニー五輪レスリング代表、総合格闘家)
ロンドン五輪のレスリングとMMAに関してのレビューの中でのコメント。

<アメリカのカレッジレスリングについて>
●アメリカのカレッジレスリングはずっとルールが同じだからおじいちゃんも見に来る。
(五輪のレスリングはルールが変わり過ぎで注目を浴びないのではないかと)

●NCAA(全米カレッジレスリング選手権)は会場も超満員。
(母校の選手を応援。何世代も前の年寄りのOBも来る)

●カレッジレスリングは、五輪レスリングとはルールが違い
MMA(ミクスド・マーシャル・アーツ:総合格闘技)向き。

●倒したら2ポイント、立ち上がったら1ポイントという単純明快なルール。
ローリングとかのポイントもなし。
決着はフォールだけ、寝技はずっと続く。
(※五輪は寝技で膠着すると15秒か20秒で立たせる)

●どうにかして立たないと寝技がずっと続くので立つ技術も身につく。
(※五輪は「マテ(?)」で立たせてくれるのでグラウンドから立つ技術はゼロ)

●相手をコントロールする技術、フォールの魅力。
(※五輪は押し出しだけでポイントなのでテイクダウン技術もない)

●カレッジレスリングより「フォークスタイルレスリング」の方が正式名称っぽい。

●大学だけでなく、アメリカでは高校でもこっちの方が標準らしい。
(「高専柔道」が旧制の高校・専門学校だけでなく旧制中学でも
スタンダードだったという話を連想させる)

●アメリカでは、五輪のレスリングは人気がないが、こっちは大人気らしい。
(太田章によれば、レスリングの観客数は、ロス五輪ではせいぜい8千人。
それに対し、カレッジレスリングの全国大会は3万人)
(※太田章は、ロス&ソウルのフリースタイル90kg級銀メダリスト)

●競技人口としては「(アメリカでの)感覚的には」、
フォークスタイル対五輪式で1000:1くらいではないかとの話。

●(アメリカ人にとって)アメフトやバスケットは絶対的に体格が必要だが、
レスリングだと体重制があるので誰にも頑張れる身近なものらしい。


GONG(ゴング)格闘技 2012年10月号/イースト・プレス

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