六月に叔父が亡くなっていた。
今日、娘さんだろうか、知らない名前の人から手紙で挨拶が届いた。
90歳で逝かれたのだから大往生と言えるだろう。
弟に当たる私の父の方が先に逝ってしまったのだから。
父とも私とも叔父との仲は疎遠であった。
さっきまでそう思っていた。
ところが、その叔父が生前、私のソロアルバムをわざわざ買い求めて聴いていたのだという。
私の体調の心配までしていただいていたと、たった今知った。
恐らくブログまで読んでいただいていたのだろう。
叔父の巨大な視野から覗く私はどれほど小さな子どもであったのだろう。
この叔父と私は生涯ひとことふたこと電話で話したきり、直接会ったこともなかった。
人生は不思議だと思う。
疎遠であったとしても同じ祭りに参加していたのだろう。
映画「フェリーニの8 1/2」のラスト大団円の直前の台詞が好きだ。
「人生は祭りだ。ともに生きよう」
この台詞を何度も噛み締めて生きてきたけれど、叔父の遺してくれた思いが正にそれでこころが震えた。