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みおさんの生活♪♪

「イソップ、よく帰ってきたな。」  「・・・・・」

「奥寺君、私は相模一高の監督の勝俣だ。 滝沢さんに聞いたんだが、君はラグビー部の縁の下の力持ちらしいね。 

そういう君を含めた川浜高校ラグビー部じゃないと、私は戦う気がしなかった。 だから待っていた。」

(大木) 「バカヤロー 心配かけやがってよう!」


「心配してもらっても なんにもなりません・・・・」 「なにぃ!」  (加代) 「奥寺君・・・」

「同情してもらっても 死ぬのは先生でも大木君でもない。 僕なんだ・・・・

僕はラグビーに最後の別れを告げに来ただけなんです!!」


(部室を飛び出し、屋上に 賢治、大木 加代、勝俣で追いかける・・・)

「先生、来ないでください。来たら僕 飛び降ります!」

「なに馬鹿なこと言ってるんだ。 お父さんもお母さんも心配してる。戻って手術受けるんだ!」

「いやだ。 手術受けたって、頭開けられて 脳みそ引っかき回されて 僕は死ぬだけなんだ!!」

(加代) 「何言ってるのよ! 手術受けなきゃわからないのよ!」

(大木) 「ほかの連中も、みんなお前が帰ってくることを祈ってたんだぞ。 下見てみろ」

(勝俣) 「みんな必死で君を捜していたんだ。 試合も何も投げうってだ。 男なら勇気を出せ!」


「同情してもらっても、なんにもなりません。 先生、先生が見守ってくださるなら 僕死ねそうです。

今から飛び降ります・・・」


(賢治) 「バカヤロー 死にたいやつは死ね!」   「・・・・・」


(ナレーション) <・・・それは賢治の賭けであった。 賢治はイソップの中に残ってる生存本能を、必死にかきたてようとしていた。

万一イソップが飛び降りれば、賢治も責任を取り 共に飛び降りて死ぬ覚悟であった・・・>


「何をグズグズしてる? 最後の最後まで諦めないのがラガーマンだ。 

手術ひとつ受けられない 意気地なしは とっとと飛び降りろ、 死んでしまえ!

どうした? お前みたいな弱虫は たとえレギュラーになれたとしても 1本のトライもあげることは出来ないぞ

死にたければ死ね。」


(勝俣が、そこまで言うのか・・・と 不安げな表情を賢治に向ける。)


(加代) 「先生、ひどい もうやめて・・・」 

(一歩、前に踏み出すイソップ・・・)  「イソップ・・・・」

「イソップ、(ニュージャージをかざして)最後にこれを見るんだ!

こいつをデザインした時、お前どういう思いをこめた? どんなことがあっても戦おう。 そういう願いだろ!

だから俺たちはこいつを採用したんだっ! それを本人のお前が裏切ろうとしている。 

俺たちを裏切るのは構わんが お前は・・・自分で自分を裏切ろうとしてるんだ。 

お前なんか、お前なんか 惨めなドブネズミだっ!」


(第12話 愛は死線を超えて)


(夜のグランドで)

「俺は人間の生き死にを、ラグビーを基準にしか考えられん。 座るんだ! 

いいか、このボールがお前の魂、命だとする。 

(タッチライン、インライン上にボールを置いて) ボールがこの線の内側にある時、ボールは生きてるな。

つまり生の世界だ、こっち側は死の世界だ。  この線は生と死の境目ってわけだ。」

「先生、何が言いたいんですか?」  「人間は死なないってことだ!」 「・・・・」


「死ぬにしても、ほんの一瞬の間だってことだ。 死ぬってのはな。ボールがこう、この線を越えるような ほんのわずかな間ってことだ。 

だが人間は、生きてるうちから死を恐れるあまり 心まで死んでしまうんだ。 今のお前がそうだ。

イソップ・・・お前の命は今 どのあたりにある? (インライン上にボールを置いて) まだこのあたりだろ!」


「それが、人間は何の為に生きてるかってことの答えですか?」

「その答えは、お前がすでに出してるじゃないか? 思い出してみろ、こないだお前は言ったじゃないか?」


『ボールが生きてるうちはベストを尽くさなきゃ 最後まで諦めちゃだめだ。』

『たとえ負けるとわかってる戦いでも、最後の最後まで戦い抜く。 それが男だろ!ラガーマンだろ』


「お前はラグビーにおいて言ったことを、生き方においてもやれるはずだ。 俺はあえて言う。

人間の運命は生きることだ。 そしてなんのために生きるか? それは愛すべきものを愛して戦う為だ。

少なくても俺にとってはそうだ。 だから俺は一生懸命生きる!


イソップ・・・勝つとわかってる戦いなら 誰でも戦う。 

しかし、負けるとわかってる戦いに出てゆく。そして最後まで戦う.

人間は誰でも死ぬんだ。 残された時間を燃焼しよう・・・ そこにお前の命の輝きがあるんだ!」


(迎えに来た不良グループの元へ走ってゆくイソップに)

「イソップ、振り返るんだっ!!」

「お前はこのボールをどうするんだ。 追わないのか? 諦めてしまっていいのか?」

(ボールをそっと、タッチライン上 インライン上に置く・・・ 風にゆられて~)