参議院選挙では共産党を支持します! | 岐路に立つ日本を考える

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 私は日本を世界に誇ることのできる素晴らしい国だと思っていますが、残念ながらこの思いはまだ多くの国民の共通の考えとはなっていないようです。
 日本の抱えている問題について自分なりの見解を表明しながら、この思いを広げていきたいと思っています。


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 さて、いよいよ明日は参議院議員選挙です。

 今回の選挙にはいろんな争点があり、これこそ間違いのないベストチョイスというものがないことに、私自身が頭を悩ませてきました。

 ただ、いろいろと悩む中で、対立する様々な問題の中でより大きな問題は何かを、できるかぎり意識するようにしてきました。その結果として、大企業が自社に有利となるように政府に働き掛けて制度変更を目論むコーポラティズムの問題と、グローバル化の問題こそが、現在の日本では特に大きな課題であると感じるようになりました。

 コーポラティズムに基づいて公共サービスを解体する動きは、アメリカの後追いで日本でも進みそうな雲行きです。麻生財務大臣が公営水道の全面自由化を考えていることを明言したことからわかるように、こうしたものについての検討は、すでに政府部内ではかなり進んでいることがわかります。

 ウェブでも公開されている日本経済再生本部の議事要旨を見ますと、「世界的にもこの成長戦略に大きな関心が注がれており、その評価は、「次元の違うスピード」による政策実行を実現できるかにかかっている」とし、「従来のスケジュール感にとらわれることなく、この成長戦略に記載された政策を直ちに実行に移していかなくてはならない」「総理からは、必要な措置は秋にも結論を出し、次の国会を「成長戦略実行国会」として、結果を出していくという方針が示されており、そのスピード感を全閣僚で共有したい」との方向感が打ち出されています。そしてこのことが再度「異次元のスピードで、設備投資と新陳代謝を進めるため、税制を含め、具体策の早急な検討を進める」として、強調されています。つまり、このようなコーポラティズム的な「制度改革」が、安倍政権のもとで今後一気に押し進んでいく可能性はかなり高いことを覚悟しなければなりません。

 そしてこのコーポラティズムに基づく日本の「制度改革」や「規制緩和」はグローバリズムとも密接に絡んでいます。ロンドンのギルドホールにおける講演において、安倍総理は「私たちは、欧州が、20年以上かけ、電力市場の自由化、開放と、発電・送電システムの分離、そして電力市場の連携と統合を進めてきた歴史に、多くを学びました。そして日本でも、つい先日、半世紀以上続いた市場の寡占に終止符を打ち、電力市場の自由化と、送配電の分離を進める意思決定をしたのです。これは、必ずや、広範なイノベーションのトリガーになります。投資を惹きつけてやまない、膨大な機会が現れるはずです」と述べました。そして「固い岩盤のような、日本の規制を、私自身がドリルの刃となって突き破ろうと思っています。日本の将来に、どうぞ投資を続けてください」とも述べました。日本の公共サービスを外資にさえ進んで開放する方針を打ち出しているわけです。

 恐らく安倍総理は、競争の激化によってよりよいものが生き残ると単純に信じているだけであって、悪意はないのだろうと思います。しかし、悪意があるかないかに関わらず、この路線のリーダーになってしまっているというのは現実なのであって、この路線をできるかぎり食い止める力を用意することが大切なのではないかと思っています。

 コーポラティズムとグローバル化を押しとどめる力として、最も強力な野党はどこかと考えた時に、日本共産党だろうという判断に私はなりました。

 私は日本共産党とは違って、原発再稼働賛成派ですし、従軍慰安婦問題など対韓政策は全く相容れない立場です。オスプレイの沖縄配備にせよ、閣僚の靖国神社参拝にせよ、共産党は断じて認められないという立場でしょうが、私はどちらも当然のことだと思っています。改憲をめぐる議論も共産党とは相容れません。つまり、エネルギー・外交・安全保障・憲法認識といった国家の根幹に関する部分で、ことごとく意見を異にする立場にあります。

 しかし、それらの問題よりも、コーポラティズムとグローバル化の問題の方が、日本の国柄を守れるか守れないかという意味においては、重要度は遙かに高いと考えています。

 野党の共倒れ状態の中で、安倍自民党の勝利は間違いないでしょう。連立する公明党も、自民党との共闘によって議席を伸ばしてくるでしょう。そしてこれに対決すべき野党の側にもコーポラティズムやグローバル化に反対の立場は案外と少ないのが実際です。TPPに反対といいながら、日中韓FTAとかRCEPには賛成といっている政党も、日本の国柄を守るという意識がないことを露呈させていると考えます。

 大変逆説的ですが、日本の国柄をできるかぎり守るためにこそ、今回の選挙では共産党に躍進してもらわなければならないのです。いくら躍進しても少数政党でしかないでしょうが、それでも都議選で見せたのと同じくらいの躍進が参議院選挙で実現したとしたら、安倍政権もその躍進ぶりを無視できなくなるでしょう。つまり、コーポラティズムとグローバル化にどんどん進んでいこうとする安倍政権に対するブレーキ役を作るとすれば、日本共産党に躍進してもらうしかないと考えているわけです。

 複数定数区において、自民党がその一角を占めるのは確実と思われる選挙区では、共産党もその一角に加われるような投票を行っていただけたらと思っております。保守だからこそ共産党を応援しようという主張は、突飛に思えるかもしれませんが、現状でのベストチョイスだと私は考えました。

 このブログの読者の方にどのくらい賛同者がいるかは、はなはだ心許ないのですが、これが私の最終的な結論です。共産党への投票も一理あると思われた方は、ブログランキングへの投票をお願いいたします。


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 ところで、日本共産党の主張は一部では自民党の良識派と意外と近い場合もあります。以下の動画は日本共産党の大門実紀史参議院議員の質問ですが、「アベノミクス」には新自由主義的と反対しながら、これと対置させた「アソウミクス」に対しては支持を表明しています。




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