世界最先端技術のエンジン・・・R35 GT-R
今日の高回転化した乗用車用ガソリンエンジンでは、
常用走行(あるいは排気ガス規制)領域以外において
空燃比がストイキオメトリ(理論空燃比)であることはほとんどない。
主として熱負荷の軽減のためガソリン過剰(リッチ)の混合気により運転される。
- ストイキオメトリのまま回転数を上昇させるとたとえ点火時期を早めても 排気バルブの開弁後かなりの時間にわたり燃焼が終了せず、 アフターファイヤー を生ずる。
- 高出力時には発生する熱量そのものも膨大となり、 シリンダ/シリンダヘッド壁面やバルブシートその他からの放熱だけでは間に合わない。
- 結果として、主に排気バルブやピストンの溶損等を生じる。
これを防ぐために、空燃比をかなり濃い目(リッチ)の設定とする。
これにより燃焼速度が高くなりアフターファイヤーが緩和され、
また、燃焼しないガソリンの気化潜熱によりシリンダ内が冷却される(エクゾーストに排熱される)。
しかしこの状態での運転は、燃費が悪化するのはもとより、三元触媒が働かないなどの弊害もある。
このため高速連続運転の比率の高い欧州車等の一部の乗用車では燃費改善のため、
- 金属ナトリウム 封入排気バルブの採用(バルブ溶損の防止)
- シリンダ壁面材料を高い熱伝導率を持つアルミ等へ変更(シリンダ壁面放熱性の向上)
等を行い、ガソリン過剰を少しでも改善させる方策が採られているが、
技術上の問題やコストの観点から、多くの乗用車に普及するまでにはいたっていない。
ところで
R35GT-Rのエンジンの凄いところは
パワー空燃比での走行領域を狭くし、
ほとんどのクルーズ領域を理論空燃比で走っていることです。
ストイキで排気温度1000度℃というのは間違いなく世界最高レベルの技術です。
レーシングカーの領域です。
空気とガソリンの混合比率を薄くしてガソリンの比率を少なくしていくと排気温度が上昇します。
ターボは熱エネルギー変換装置なんで排気温度が高いと効率が上がります。
排気温度が高いとターボ下流の触媒装置の効率も向上します。
つまり排気温度が高いというのはエンジンの熱効率が高いという証です。
しかし通常のエンジンで排気温度が1000度℃になるほどガソリンを薄くすると、
ノッキングが起こってパワーダウンしたり、焼き付きや異常磨耗を生じたりする。
480馬力のエンジンの実用域の大半を
ストイキ(理論空燃比)でカバーする、これぞ世界の先端技術です。
しかし
「エンジンの直後で1000度の排気温度ですよ
で、排気抵抗はここらでで0,18ですよ
抵抗が少ないからこそ、ほとんど温度が落ちずに●●●度で”たいこ”消音機まで達するんだよ」
「ハンパなマフラー入れると落ちるよ」
これ主治医の言葉
納得でした。