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【真夏の夜のホラー特集】「ホラーといえばこの監督」
本日はインディーズホラーで衝撃のデビューをし、
今ではハリウッド超大作を手がけるまでになったサム・ライミであります。
取り上げる作品は「ギフト」。
彼のフィルモグラフィの中では異色の作品なものですから、ちょっと落ち付きは悪いんですけどね…。
真夏の夜のホラー特集・第13弾
2001年劇場公開作品
監督:サム・ライミ
出演:ケイト・ブランシェット、ジョヴァンニ・リビシ、キアヌ・リーヴス、ケイティ・ホームズ、
グレッグ・キニア、他
ジョージア州に住む未亡人アニー(ケイト・ブランシェット)は、
自ら持った特殊な能力、人の運命を見抜く占いで細々と子供たちと生活している。
夫婦仲に悩み常に相談に訪れるヴァレリー(ヒラリー・スワンク)も良いお客さんだが、
その暴力的な夫ドニー(キアヌ・リーヴス)には魔女扱いされ毛嫌いされている。
ある日、息子の教師ウェイン(グレッグ・キニア)と婚約者ジェシカ(ケイティ・ホームズ)の
結婚の行方を見てくれと軽く言われるが、そこで彼女は恐ろしい幻想を見てしまう。
数日後、ジェシカが失踪。
やがて湖から変わり果てた姿となって発見されるのだが…。
これはもう立派な日本の【怪談】であります。
上の文章からサイキック・ホラーのような展開になるのではとお思いでしょうが、
ここから先の展開は、ジェシカを殺した犯人探しとなり、裁判劇となり、そ
して最後に待ちうけるのは日本の【怪談】なのであります。
こう書いても何のこっちゃわからないと思いますし、
あまり書いてしまうとネタバレになってしまいますので、
真相はまぁご覧になっていただければ、こういう書き方になるのも納得していただける事でしょう。
主役のケイト・ブランシェットが良いですね。
貧乏臭く、幸薄い主婦役を実に生活感あふれた演技で、等身大のキャラクター作りに成功しています。
生まれながらに特殊な能力を持ったにもかかわらず、しかもその能力を“生活の糧”にしていても、
どこかで「私は本当は普通に生きていきたいんだ」という
特殊な能力を一種迷惑がっているキャラクターなんですね。
不幸のヒロイン「エリザベス」で衝撃の登場をした彼女に、こういう役をやらせたら天下一品。
もう彼女の表情一つ一つが“幸薄さ”を物語っておりました。
まあ、あまりにも等身大のキャラクターのため、展開がリアル過ぎて
見ていて【爽快感】がないのが何とも救い難い作品なのですが、
脚本がなんとクセ者俳優・ ビリー・ボブ・ソーントン。
演技もクセ者なら手がけた脚本も日本の【怪談】の雰囲気を持ち込むなど、
充分クセ物に仕上がっております。
しかもこの作品をサム・ライミが手がけたのも驚きでした。
サム・ライミといえば今やもう「スパイダーマン(2002)」の監督といった方がわかりやすいですが、
私にとってのサム・ライミはやっぱり「死霊のはらわた(1983)」なんですね。
「死霊のはらわた」は本当に衝撃的な作品でした。
何が衝撃的かって、本当にムチャクチャなホラー映画だったのですから!
今までのホラー映画が自主規制のように「ここまではやらないでおこう」という部分を
平気で描いて、もう体は裂けるは首は飛ぶは…。
仕舞には残酷さを通り越して思わず“笑って”しまうほど。
この作品を機に【スプラッターホラー】という言葉がメジャーになったのは、
今ではもう知られてないんでしょうね。
この低予算ホラーで一気に注目を集めたサム・ライミですから
その後も「死霊のはらわた II(1987)」やら「キャプテン・スーパーマーケット(1993)」と
この路線を忠実に守っていた(さらに笑いがパワーアップしていきましたが)のですが、
シャロン・ストーン主演の「クイック&デッド(1995)」を手がけたあたりから、
どうも落ち付いてきてしまって、この「ギフト」の時の演出など実に堂々たるもの。
そして遂には超大作「スパイダーマン」を手がけ、
メジャー監督の仲間入りまでに到ったといった訳ですね。
まあ超大作を手がけるまでになるというのは本来歓迎すべき事なのでしょうが、
私にとってのサム・ライミは「死霊のはらわた」に変わりありませんから、
『サム・ライミさんよ、あの「死霊のはらわた」のムチャクチャやった初心を
大物になっても忘れないでね…』と今でも思っている次第であります。
■「死霊のはらわた」もスゴイけど、おもしろさではこっちがBest!
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
死霊のはらわた 2
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