「松本清張傑作短篇コレクション<上>」 | こだわりの館blog版

「松本清張傑作短篇コレクション<上>」

松本 清張, 宮部 みゆき
松本清張傑作短篇コレクション〈上〉

昨日、本についての事を久々に書いたので、ついでと言っちゃあなんですが、
この数ヶ月【通勤電車の友】としておりました書の紹介をしたいと思います。
宮部みゆき責任編集「松本清張傑作短篇コレクション」
本日はその上巻であります。

松本清張といえば知らない人はいない“推理小説界の大御所”でありました。
1992年に逝去されてますから、もう亡くなられて10年以上。
しかしその人気は衰えることなく
最近もTVで「砂の器」「黒革の手帳」がリメイクされ大ヒットしましたから、
これで松本清張氏を知った方も多いんじゃないでしょうか。

私は高校生の頃、選択授業で氏の歴史小説が課題図書となり
(確か「佐渡流人行」だったと思います)
それを読んで以来、松本清張氏に一時ハマリまして、当時はむさぼるように読んでいたのですが、
正直なところ近年はトントご無沙汰気味。
書店でたまたま本書をみかけまして、久々に青春プレイバックってわけで買って読んだわけです。
松本清張の「傑作短篇コレクション」というところに非常に惹かれました。
なぜならば高校の時、私が好きでむさぼるように読んでいたのも
実は松本清張氏の【短篇】だったからであります。

氏の【短篇】は本当に素晴らしい。
長篇が悪いわけじゃないんですが、氏の【短篇】でのコンパクトに起承転結をまとめる見事さ
(特に推理ものは“結”できっちりどんでん返しを展開させるのですから!)
人物描写の的確さなどは他の追随を許さないものがあります。
【上巻】に収録されているのは次の10篇
 ●或る「小倉日記」伝
 ●恐喝者
 ●一年半待て
 ●地方紙を買う女
 ●理外の理
 ●削除の復元
 ●捜査圏外の条件
 ●真贋の森
 ●昭和史発掘「二・二六事件」
 ●追放とレッド・パージ「日本の黒い霧」より

オーソドックスなミステリーから、歴史小説から、最後には昭和史告発まで
こう見ると清張氏の扱ったジャンルは実に多岐にわたるものがありますね。
【推理小説界の~】なんて紹介の仕方は、とても失礼なように思えますね。

と、いうなかで【上巻】でもっとも好きなのは
やはり宮部みゆきさんも【マイ・フェイバリット】に入れているように「一年半待て」
私は「捜査圏外の条件」の2作ですね。
「一年半待て」は最後の2ページでのどんでん返しには本当悲鳴が出そうになりました。
また「捜査圏外の条件」は非常に映像的な内容だと思いましたね。
確かに昭和32年の作品ですから出てくるキーワードは今では古臭いものばかり。
しかしこの時代がかったキーワードを現代のものに変えても何ら物語には影響しないほど、
この作品は時代に左右されない普遍的な物語だと思いますね。
逆に「あの計画」が壊れるきっかけとなる「あの歌」自体は、
今日でも雰囲気満点な曲ですけれどもね。
…抽象的に書きすぎて何がナンやらこれじゃわかりませんよね。
それでは、その先は…是非皆さんの読書後にお話しすることにしましょう!

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