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加齢なる一族、六月大歌舞伎昼の部を観に行きました〜♪
 

昼の部

一、名月八幡祭

 

 越後の実直な商人、縮屋新助(尾上松緑)は深川きっての芸者美代吉(市川笑也)に惚れ込んでいます。

しかし、美代吉は旗本の藤岡慶十郎(坂東亀蔵)という旦那がいるにもかかわらず、遊び人の船頭三次(市川猿之助)を情夫にもつ奔放な女。

美代吉は三次から何度も金をせびられ借金を抱え、深川大祭に必要な百両の大金が用意できず困り果てます。

 

これを知った新助は、越後に行って一緒に暮らしてもいいという美代吉の言葉を真に受け、故郷の家や田畑を売り払い・・・。

 

 

名月八幡祭は、何度か観ていますが、座敷にいる新助が船で通りかかる美代吉を見つける場面やラストの新助が取り押さえられ笑う場面とか、演劇的で印象深い作品です。

松緑さん、笑也さん、猿之助さんの組み合わせ、楽しみでした~。

 

 

美代吉を演じる笑也さんが、品のある美しい人なので、あまり嫌な女性に見えませんが、美代吉って本当に自己中な人で呆れます。

 

せめて、新助が田舎の家や田畑を二束三文で売り払ったと分かった時に、「私の為にそこまでしてくれたんだ、本当にすまなかったね~。」と美代吉が心から謝ってくれたらと思いました。(お話なんだから、しょうがないけどね・・・・。)

 

松緑さんの新助が、浜魚惣奥座敷から美代吉を見つめる目が良かった~。憧れの人を見つめる目でしたよ。この後の展開を知ってるだけに哀れに感じました・・・。

 

猿之助さんの三次がね~。もう見るからに悪いヤツ。

猿之助さんのこと、嫌いになりそうなぐらい嫌な感じ(;^_^A

 

 

亀蔵さんの藤岡のお殿様・・・。何だか物足りなかったです。

私の中では藤岡のお殿様は、何の不自由もなく育った鷹揚な人物っていうイメージなんだけど、それを感じられなかったのかな?

 

何度も田舎の人は~っていう台詞があります。

あっちでも、こっちでも新助につける枕詞みたいに、みんなが言うんだけど、江戸っ子てそんなに凄いの?

純朴な青年を地獄に落とした恐ろしい人達じゃあない?

 

最後に誰もいなくなった舞台に満月が出ます。

世の中の悲喜劇にかかわらず、満月は無表情に美しかったわ。

 

深川の夏らしい風情は、面白く観ましたが、う~ん、やっぱり救いがないお話で、幕が閉まってからもずっと、深い暗闇に突き落とされた感じ。

以前観た時より絶望的な気持ちになりました

何でこんなに悲しいお話をつくったのかしら・・・。辛すぎるわ。

 

 

 

 

 

二、澤瀉十種の内 浮世風呂

 

 風呂屋「喜のし湯」では、鶏の声がする明け方、赤い下がり姿の三助政吉(市川猿之助)が、湯加減をみたり客の背中を流したりしています。

そこへ現れたのは、女の姿をしたなめくじ(中村種之助)。なめくじは粋な三助に惚れ、口説きにかかりますが、三助は気味が悪いと、塩をかけて退散させるのでした・・・・。
 

これは、楽しい~(^^♪

私は、こういう明るい舞踊大好き!猿之助さんが、軽やかに踊るから、こんな風に踊れたら楽しいだろうな~と。猿之助さんは、舞踊で人の心をウキウキさせるのよね~。

 

 

なめくじのクドキって~(≧∇≦)

種之助さん、可愛いわ~。頭の飾りのなめくじが何とも言えない!

舞台写真買おうかな?と思わせるほど!

買いに行って、結局仁左衛門さんの写真を買ってしまいましたけど・・・。

 

「名月八幡祭り」ですっかり暗くなった気持ちもパッと明るくなりました。+.。ヽ(*>∀<*)ノ。.+。喜のし湯に行きたいわ♪

 

 

三、御所桜堀川夜討

 

 侍従太郎の館で懐妊のため静養中の義経の正室卿の君(中村米吉)。

そこへ、頼朝の上使として武蔵坊弁慶(中村吉右衛門)が訪れます。弁慶は頼朝より、反逆人平時忠の娘である卿の君の首を討つようにと命を受けていたのです。

 

侍従太郎(中村又五郎)は、腰元しのぶ(中村米吉)を身替りに立てようとしますが、しのぶの母おわさ(中村雀右衛門)は、18年前に一度だけ契った、しのぶの父にあたる男に娘を会わせるまでは死なせるわけにはいかない、と頑なに拒みます。

実は弁慶こそがしのぶの父親・・・・。

 

雀右衛門さんは、いつまでも可愛くて、お姫様やお嬢さんを演じますが、一生で一度契った人の子供をひとりで懸命に育てたおさわという母親役、良かったです~。

米吉君と並ぶと雀右衛門さんも母ですね~。

 

米吉君の着物は、松、梅、桜、菊が刺繍してあって豪華で素敵でした。

また、それが米吉君にとっても似合っていました。着物って良いな~可愛いな~とガン見!

 

吉右衛門さんの弁慶は、堂々たる弁慶ですが、我が子を手にかけて

父として泣きます(ノ_・。)

弁慶も恋もし、涙もこぼすのね~というお話ですが、花道で皆が知ってる勇ましい弁慶に戻って去っていきました・・・。

 

また悲劇・・・・。

浮世風呂でウキウキした気持ちがまた、へこみました。

忠義のために我が子を身代わりに・・・・。

これは、よくある歌舞伎あるあるですが、お話しだと分かっていてもやっぱり辛いお話だわ。

 

劇場からの帰り道の足取りが、重くなってしまいました。