加齢なる一族(友人、私)、渋谷のシアターコクーンに「火のようにさみしい姉がいて」を観に行きました音譜


ある俳優(段田安則)とその妻(宮沢りえ)が20年ぶりに雪国の故郷に戻ってくる。
仕事にも人生にも行き詰まった夫婦の“転地療養”らしいのだが、道を尋ねるために立ち寄った理髪店で、誤って鏡の前にあったシャボンのカップを割ってしまう。
次の瞬間、男の姉と名乗る女主人(大竹しのぶ)や、得体の知れぬ客たちが次々に現れ、強引に男の過去に踏み込み、そして……。

俳優は、現実と虚構の境界があやふやな精神状態で、療養のために田舎に帰るのだが、姉との再会により、より精神が錯乱し最後には、妻の首に手をかける・・・。

俳優のオセロの楽屋から始まり、最後にはオセロと同じく妻を殺害するというずっしり重いストーリーは、あ~、面白かったと満足するお芝居ではない。

なぜ?こういう辛いストーリーなんだろうと考えるけど、答えが見つからず、ずーっともやもやして、そういう意味では、いつまでも心に残る作品なのかもしれない・・・。

俳優として成功したけれど精神を病んでしまった都会に住む弟。
私の方が才能が有ったと思っている元女優の妻。
田舎で幼かった弟との思い出に浸っているさみしい姉。
この三人の悲しい三角関係に・・・華岡青洲の妻を思い出したり。


宮沢りえさんは、盲導犬以来かな?
ますます美しくなっていて、私の方が才能が有ったと思っている元女優にぴったり。

大竹しのぶさん演じる姉の剃刀を研いでいるラストの顔に、ぞ~っとする。
この姉の顔を観に私は、この劇場に来たのでしょね・・・。