山口組ナンバー2の弘道会会長(69)らと共謀し、男性から計4500万円を脅し取るなどした恐喝罪などで懲役8年(求刑懲役10年)の実刑判決が確定していた山口組系淡海一家(大津市)総長の高山義友希(よしゆき)受刑者(60)収監見送りの手助けをしていたのではないかということが去年の10月に発覚しました。事件は2014年7月、高山受刑者が体腎移植を同病院で受けたのち、「ウイルス性の腎炎を発症する危険性があり収容は難しい」という虚偽の診断書を作成していたというものでした。
京都府警捜査2課は今年の2月14日朝、虚偽公文書作成・同行使の疑いで、京都府立医科大付属病院や府立医大など関係先の強制捜査に踏み切った。大阪府警は、当時の診断書に記載されている内容と、高山元被告の生活状況などを他の医療機関で再確認したところ、刑務所の医療態勢で収容が可能な健康状態だと判明し、検察当局は同時に、収監を決めました。
この事件の問題点は3つです。
1、偽りの診断書の作成。担当医は同教室の教授である院長の指示で異なる内容の診断書を作成したことを認めた。
2、高山受刑者は府警元警部補(58)を通じて、同病院で生体腎移植手術を受けたということで、府立医大の吉川敏一学長(69)は高山受刑者(60)と市内で複数回、会食したことを認めている。
3、会食した時期は移植手術の直前だったということです。
まず、虚偽公文書作成は当然いけないことです。しかしそれは院長の命令であったこと。て警察OBが、その橋渡しをしていた。しかもオペの前に食事をしている。犯罪を取り締まる側にいた元警部補が病院に裏で手を回し収監を遅らせる手助けをしたらしいという話です。
どうしてこういうことが起きるのかを考えてみましょう。
なぜ医大の学長ともあろう人がそういうコワモテの人と食事をしたのかということです。可能性として、それなりのワイロが高山受刑者から警察OBと吉川学長に渡されたという金の理由が一番に考えられます。
しかし、発覚したら社会的な制裁があるのがわかっていて個人的な金目当てというだけでこんな大胆なことを学長が考えるものでしょうか?異様な雰囲気の人が日々、見舞いを装い病院に往来するのですから患者の目もありますよね。
理由はこうだと思います。実は銀座にいてわかったことなんですが、識者でも男女問わず「〇〇の組長を知っている」と自慢するところがあるのです。暴力団というのは、悪いことをして金儲けをしているとわかっているし、指定暴力団を警察がマークしているのを知っているのにです。偉い組長ほど自慢の対象になります。まず、ヤクザ=用心棒というイメージがあります。飲食店などはミカジメ料としての意味合いで毎月、オシボリなどをそれ系の業者から購入することで関係を維持しています。悪い客が来たらオトシマエをつけてくれる、飲食代の採りたてをするガードマンのような役割があります。
もう一つのイメージ。それは映画です。「仁義なき戦い」や「極道の妻たち」「ゴッドファーザー」のような映画は人気があり、特に高齢者層は高倉健のイレズミにワクワクして映画鑑賞して来たからです。戦争映画含め、闘争や殺し合いの血を見るのが、人間は好きな動物なのです。(我が国の、ソーリもそうではないかと思っております)
あと、悪い人間の持つ魅力です。悪女とわかっていても、普通の女にはないオーラや独特の手練手管にのめりこむのとも似ています。ホストは女を騙す職業とわかっても通ってしまうキャバ譲のようなものです。悪い人というのは、いかにも悪い人というオーラを出していませんで魅力的。見た目はコワモテでも、人の上に立つ組長クラスになると、人を束ねていくだけの知恵も運も人望もあるのです。
教授というインテリだから、医者だからヤクザ映画を見ないとは限りません。そう、人間の底にはダークな世界に憧れるという心理があるのだと思います。そういう人らに接待されて、犯罪に加担するという独特の興奮もあったかと思います。だから断りきれなかった。もしくは不倫や借金などがあり、リアルに脅されていたかのどっちかです。
世界で公開されているヤクザ映画の数と政治家の映画。政治家の映画って、リンカーン大統領、またはヒットラーのレベルでないと、なかなか世界的にも映画になってません。おそらく警察OBも、そういう世界との接点の裏で、おそらく甘い汁を吸ってきたうえでの便宜だったと思います。
